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クイーン+アダム・ランバートが12月31日、特別企画で紅白歌合戦に出場する。
クイーンといえば、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のクライマックスとしても描かれた「ライブエイド」でのパフォーマンスが有名だ。「伝説」と評されることも多いこのステージを取り上げた『クイーン 21分間の奇跡 〜ライブエイドの真実〜』が、2023年4月にNHK総合の番組『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』で放送された。
その圧倒的なパフォーマンスは現在も、ライブエイドの公式YouTubeアカウントで全曲公開されている。実際の映像と、ステージに対するメンバーの思い、周囲からの評価を紹介する。
「ライブエイド」でのステージ映像
1曲目「Bohemian Rhapsody」
2曲目「Radio Ga Ga」
3曲目「エーオ!」のコール&レスポンスからの「Hammer To Fall」
4曲目「Crazy Little Thing Called Love (愛という名の欲望)」
5曲目「We Will Rock You」
6曲目「We Are The Champions (伝説のチャンピオン)」
「クイーンがショーをかっさらっていった」
ライブエイドは1985年7月13日に行われたエチオピア飢餓救済のチャリティで、クイーンはイギリス・ロンドンのウェンブリー・スタジアムで参加。スタジアムには7万2千人が集まり、1986年4月12日付の朝日新聞によると、テレビを通じて世界で約15億人が見たと推定されるという。
クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーはライブエイドに出演した理由について「ひとはときに自分の無力さを痛感する。僕にとってこれはたぶん、自分にも小さな役割が果たせるということを示す、僕なりの形なんだと思う。僕は誇りを持って歌う」と語っている。(インタビューなどからフレディの言葉を集めた『フレディ・マーキュリー 自らが語るその人生』より)
クイーンがステージに立ったのはわずか21分。ショートバージョンも含め、上記の6曲を披露した。どれだけ圧倒的だったのかは、そこにいた人々の言葉から伝わってくる。
クイーン公式YouTubeチャンネルで公開されている動画「1985年 運命の『ライヴ・エイド』」によると、ラジオ司会者で音楽評論家のポール・ガンバッチーニは「舞台裏のすべてのアーティストがまるで犬笛を聞いたかのようにステージに注目し始め、『クイーンがショーをかっさらっていった』と身震いさえ感じた」とコメント。
ライブエイド発起人の1人でもあるミュージシャンのミッジ・ユーロは「(クイーンのステージを見て)鳥肌が立たなかった人がいるなんて、そんなことは絶対にあり得ないと思う」と振り返っている。
クイーンのメンバー、ブライアン・メイも「フレディは広いサッカースタジアムでみんなを巻き込む魔法のような方法を知っていた」と絶賛している。
象徴的なのは、フレディが「エーオ!」と即興のコール&レスポンスを始め、観客とやりとりしているシーンだ。クイーン公式YouTubeチャンネルの別の動画ではライブエイドでのこのやりとりを「音楽史上最も忘れがたい瞬間」と評している。
フレディはこの動画で「観客を魅了するのが僕の役目で、観客がついてきてくれなければそのライブは失敗」と語っており、フロントマンとしての役割を多分に意識していたことが伝わってくる。「エーオ」はライブエイド後も、クイーンのショーの重要な一部となった。