「隠れ我慢」とは、心身の不調を我慢して仕事や家事を行うこと。
漢方メーカー最大手のツムラが実施した2023年度「男女の更年期に関する実態調査」では、更年期症状を自覚する男女の多くが「隠れ我慢」している実態が明らかになりました。
周りを気にして我慢する
更年期の症状を自覚している男女各100人に「更年期症状でつらいことを我慢して、いつも通り仕事や家事などを行うことがありますか?」と聞いたところ、「頻繁にある」と答えた人は男女ともに36.0%でした。「時々ある」は男女ともに49.0%で、男性も女性も85%と大多数が更年期症状を我慢しながら日常生活や社会生活を送っていることがわかりました。
更年期症状を「隠れ我慢」してしまうと答えた人(男性100人、女性95人)に理由を尋ねたところ、男女とも「休むと仕事・家事に支障が出る」(男性65.0%、女性64.2%)、「仕事や家事など周りに負担をかけたくない」(男性45.0%、女性42.1%)が上位の結果に。周囲への影響を気にして我慢をしてしまう人が多いことがわかりました。
また「我慢できると思っている」「病気ではないので休むほどではない」といった気持ちから、我慢することを選択している人もいることがわかりました。
ほかにも「どのような対処法があるのかわからない」「どのような対処法が自分に合うのかわからない」など、対処法を見つけられずにやむを得ず我慢している人も少なくないようです。
「隠れ我慢」してしまうのは「疲れ」
「隠れ我慢」してしまうと答えた人に症状を尋ねたところ、「疲れやすい」を選択したのは男性57.0%、女性55.8%で、ともに最多となりました。
そのほかの症状は、男性では「集中力・記憶力の低下」(40.0%)、「イライラ」(37.0%)が、女性は「肩こり」(40.0%)、「気分の落ち込み」(36.8%)が多くなっています。
心身の不調を隠して仕事や家事などをこなしている更年期世代は、想像以上に多いようです。そうした人々の負担を少しでも軽減できるよう、私たち一人ひとりが周囲の人の様子に目配りできるといいですね。