NASA(アメリカ航空宇宙局)の公式X(旧Twitter)は12月20日、「チャンドラX線観測衛星が、地球から約2500光年離れた『クリスマスツリー星団』を彩る、青と白の光を発見しました」と投稿した。
添えられた画像は、緑色に輝く星雲で形づくられたもみの木が青や白の光を放つ星々で彩られているように見える。その姿はまるで、オーナメントで飾られたクリスマスツリーのようだ。
NASAによると、「クリスマスツリー星団(NGC 2264)」は天の川銀河に位置し、地球からは約2500光年離れた場所にある。星団を構成するのは、約100万〜500万歳の若い星々だ。
実はこの画像、チャンドラX線観測衛星からの情報をはじめ、複数の観測データを合成して作成されたものだという。
青と白の光を放つ若い星々の様子は、NASAのチャンドラX線観測衛星によって検出されたX線画像。緑色で示された星雲内のガスの様子は、アメリカ国立科学財団の望遠鏡による光学データ。そして、白色で示された前景と背景の星の様子は、全天サーベイ観測プロジェクトが提供する赤外線データによるものだ。
加えて、画像の向きにも工夫が施されている。天体写真は北が上に来るように表示させるのが一般的。今回は時計回りに160度回転させ、「クリスマスツリー」のてっぺんが上部に位置するようにしている。
この投稿には、「幻想的」「ホリデームードを神秘的にしてくれている」「なんて素晴らしい眺め」など、多くの反響が寄せられた。
チャンドラX線観測衛星とは、1999年にNASAによって打ち上げられた人工衛星。世界で一番強力なX線望遠鏡だ。これまでのX線望遠鏡に比べると、8倍の解像度があり、20倍以上暗い天体を検出できる。
世界中の科学者にX線画像を提供し、宇宙の構造と進化についての研究に貢献している。