手紙やはがきを郵便局に出すときの料金(切手代)が、2024年秋に値上がりする。封書は84円から110円に、はがきは63円から85円になる。政府が5月21日に開いた物価問題に関する関係閣僚会議で、値上げが了承された。
封書は84円から110円、はがきは63円から85円に
封書の値上げは、消費税の上乗せをのぞけば30年ぶりだが、値上げ幅は30%超とけっこう大きい。
値上げ検討は2023年12月18日に開始された。その最大の理由は、インターネットの普及にともなう郵便物の減少だ。郵便物の数は、西暦が変わった2001年度をピークに年々減少。01年度は262億通だったのが、22年度には半分近い144億通にまで減少した。
これにともない郵便事業の収益も急速に悪化。22年度には郵政民営化(2007年)以降初めて赤字になった。同年度の赤字の幅は211億円だったが、郵便物数は今後も減ると予測され、このままだと28年度には3439億円に膨らむと試算されているという。
速達、レターパックの値上げも
郵便物にはいろいろな種類があり、料金は異なる。ちなみに今の料金は、日本郵政のウェブサイトで調べることができる。
5月21日の関係閣僚会議で了承されたのは、重さが25グラムまでの定形封書(手紙)の料金の上限を、84円から110円にするということ。これに合わせて、ほかの料金も変更する。たとえば、重さが50グラムまでの封書は現在94円だが、値上げ後は25グラムまでと統一して110円にするという予定が示されている。また、速達やレターパックも値上げする方針。
定形外郵便などは約30%の値上げ率を基本とするが、レターパックや速達の値上げ幅は低くすることを想定するとしている。ちなみに速達料金(250グラム以内)は現在260円、レターパックプラスは520円となっている。
はがきと封書、料金の歴史
最後にはがきと封書の料金の歴史を振り返りたい。
はがきの料金は昭和時代の終わり頃、1981(昭和56)年に30円から40円に値上げされた。その後、消費税が導入されて税額が上乗せされたほか、94年には41円から50円に、2017年には52円から62円に値上げされた。19年の消費税の10%への引き上げでさらに1円上がり、現在の63円になった。
封書(25グラムまで)は昭和の終わりには60円だった。94年に62円から80円に値上げされ、消費税の上乗せで現在の84円となった。
【アップデート】2024年5月21日に開かれた関係閣僚会議の結果を受けて、2023年12月19日に公開した記事の内容を更新しました。