パレスチナ自治区ガザ地区の情勢を巡り、国連総会の緊急特別会合が12月12日に開催された。会合では、人道目的の即時停戦などを求める決議案の採決が行われた。
日本を含む153カ国が賛成し、決議案は採択された。一方、反対したのは10カ国、棄権は23カ国だった。
決議案の内容とは?
決議案は、どんな内容だったのか。
国連のホームページによると、決議案には
▽即時の人道的停戦
▽特に民間人の保護に関して、国際法上の義務を順守すること
▽人道的アクセスを確保するとともに、すべての人質の即時かつ無条件の解放
などの要求が盛り込まれた。
賛成した国数は前回の121カ国から30カ国以上増えたことから、ガザ地区への攻撃を続けるイスラエルと、イスラエルを擁護するアメリカ両国の国際的な孤立がより深まる格好となった。
反対・棄権の意思を示した国は以下の通り。
反対(10カ国)
アメリカ、イスラエル、オーストリア、チェコ、グアテマラ、リベリア、ミクロネシア、ナウル、パプアニューギニア、パラグアイ
棄権(23カ国)
アルゼンチン、ブルガリア、カーボベルデ、カメルーン、赤道ギニア、ジョージア、ドイツ、ハンガリー、イタリア、リトアニア、マラウイ、マーシャル諸島、オランダ、パラオ、パナマ、ルーマニア、スロバキア、南スーダン、トーゴ、トンガ、ウクライナ、イギリス、ウルグアイ
安保理では否決
ガザ地区の情勢を巡っては、国連の安全保障理事会でも8日、人道目的での即時停戦を求める決議案が採決されたが、アメリカが拒否権を行使したため、否決された。15カ国中、日本を含む13カ国が賛成し、イギリスが棄権していた。
イスラエル軍がガザ地区への攻撃を強める中、日本の著名人からも、即時停戦を求める声が上がり始めている。
俳優の安藤サクラさんや浜野謙太さんは13日までに、即時停戦を求めるオンライン署名への賛同を自身のXで表明した。
この署名への賛同者は100万人を超え、賛同団体は700以上に上っている。
俳優の小泉今日子さんが代表を務める「明後日」も13日、安藤さんらと同じ署名ページのリンクを共有した上で、「遅ればせながら署名しました。出来ることからやりましょう。小さな石」と呼びかけた。