カシオ計算機の腕時計ブランド「G-SHOCK」を鉛筆で描いた絵が話題を集めている。
SNSでは「本物にしか見えない」「拡大しても本物」「光沢が出せるのがすごすぎる」などのコメントであふれており、4万以上の「いいね」が寄せられている。また、カシオ計算機も「おぉぉぉぉおおぉぉ!!!!」と驚いた様子でリポストした。
そんな緻密な筆致が特徴の鉛筆画がこれだ。
金属の質感や光沢感がリアルに表現されており、まるで本物の「G-SHOCK」に見える。
この作品を描いたのは、鉛筆画家の大森浩平(@kohei6620)さん。作成に150時間をかけたという。
ハフポスト日本版は、大森浩平さんに制作で工夫したことなどについて取材した。
「どこまでのことができるか挑戦してみたくなった」
ーー鉛筆画の活動を始めたきっかけについて教えてください。
幼少期から絵や工作が大好きで、今のスタイルになったきっかけは大学入学時(18歳)頃、写真にしか見えない鉛筆画をネット上で目にし、驚きとともにその技術に憧れたからです。 また、誰にでも馴染みのある紙と鉛筆でどこまでのことができるか挑戦してみたくなったからです。
ーーなぜ腕時計に、カシオ計算機の「G-SHOCK」を題材にしたのですか?
鉛筆画には金属の質感や金属光沢の強いモチーフが相性が良いと徐々に気づき、小さな物を大きく、そして広く知られている物の方が、質感や重量感がより伝わり、見る人に響くと考えているからです。その条件にぴったりだったのがフルメタルのG-SHOCKでした。
ーーこの作品で最も苦労した点や工夫した点はどのようなところでしたか?
ヘアライン仕上げ(時計のベゼルという箇所の)と白い文字です。ヘアライン仕上げの部分は並行で繊細な線を無数に並べて描く作業に苦労しました。文字を白く色を抜いて描くのは、黒く描くよりも一文字一文字の形の正確性に苦労しました。
今回の作品は 複数枚の写真それぞれから 形や角度・ライティング・反射など、より美しい要素を目で拾い 抽出しながら描きました。 金属を金属たらしめるよう 納得いくまで置き方や照明を調整したりと、モチーフ写真を用意する段階が実は最も重要だったり。
ーー150時間という大変長い時間をどのように集中して作成されているのでしょうか?ご自身で感じた難易度などについても教えていただきたいです。
長期で写実画を描くことは やはり苦しいことでもあるので、ラジオ番組や音楽を聴きながら日課と思いながら描いていました。 難易度については、全体で考えず極細かい箇所づつ分けて考え時間をかければ描き進められるので 大きな違いはなく、費やす時間の問題だと考えています。
ーー鉛筆画には多くの反響を呼んでいますが、どのように感じていますか?また、今後挑戦したいものなどがあれば教えてください。
やはり多くのコメントやリアクションをいただけるのはとても嬉しいですし、もっと力を込めた作品をという思いにさせられ 活動の励みなります。次の挑戦はまだこれだというモチーフを見つけるところからですので、今後も自分のペースでゆっくりと、自分のこだわりと写実精度を追求しながら 人の心に響く作品を描いていきたいです。
「G-SHOCK」の鉛筆画の制作過程は動画で見ることができる。