アメリカ・ネバダ州の高校生たちクリスマスの願いの切なさに、全国の人が心を動かされ、ある行動で応えている。
KSNVによると、きっかけは同州ラスベガスにある「デザート・パインズ高校」で英語を教えるシェリ・ガイさんがSNSに投稿した1本の動画だった。
同校には「ウィッシュマス」という生徒たちがクリスマスの日にもらいたい物を書いて学校に提出するプログラムがある。学校としてはできるだけ希望者すべての願いを叶えてあげたいが、人数が多すぎて全員には対応できないのが悩みだった。
2023年は全校生徒3000人のうち900人超が願いを書き込んだ。
そのリストを読んだガイさんは涙が止まらなくなってしまった。リストに並んでいたのは、切なくなるような物だったからだ。
「(とうもろこしのトルティーヤを丸めた)チップスの大袋。お腹がすかないように」「寒さをしのぐためのスリッパ」「母に贈り物がしたい。母はウォルマートで買い物するのが好きです」「ヘッドフォン。弟からねだられているけど、買ってあげられないから」などが並んでいた。卒業アルバムを申し込むお金がなくて困っているという生徒も数人いたという。
ガイさんは自身のTikTokに、同校のウィッシュマスの取り組みについて説明する動画を投稿し、贈り物リストを公開して協力をお願いした。
「この動画を広めてもらえたりしませんか。先生たち全員で頑張っても、生徒全員の願いを叶えることはできません。たくさんの生徒が願いを書き込みましたが、みんな多くを望んでいるわけではないんです」とガイさんがフォロワーに訴えかけたとトゥデイは報じている。
「里親制度で育っていたり、貧困の中で暮らしていたりする子どもがこの学校にはたくさんいるんです」とガイさんは話している。
この訴えに、SNSコミュニティーが応えた。アメリカ中から贈り物が届き始めたのだ。
ガイさんは「子どもたちに、先生たちだけじゃなくて国中のまったく見知らなぬ人からも大事に思われていることを知ってもらえるのがウィッシュマスの素晴らしいところです」とトゥディの取材に語っている。
KSNVによると、これまでに350人分が集まり、学校側では100人分を用意した。同校は生徒たちが冬休みに入る12月15日までにラッピングを終える予定だという。