音楽業界ですでに17年も活躍しているテイラー・スウィフトは、これまで「ブロンディ」や「ミス・アメリカーナ」など、熱心なファンたちから様々なあだ名で呼ばれてきた。
しかし8月、アルバム「1989」のレコードを複数バージョンで再リリースした際は、大ファンさえもがスウィフトを「金目当ての恥知らず」と批判した。
レコードに収録された音楽は全く同じにも関わらず、カバー写真やレコードの色が違うのだ。
最初の限定盤「サンライズ・ブルバード・イエロー」版に関しては、48時間しか販売されないとスウィフトがSNSに投稿し、緊急性とファンの独占欲を駆り立てた。
そしてその48時間が過ぎて数日後、今度は「アクアマリン・グリーン」版を48時間販売すると述べ、ファンを驚かせた。
全てのバージョンはスウィフトのウェブサイトで31ドル89セント (約6700円)で販売されたが、一度に全てを購入できないため、送料はその都度発生する。
スウィフトの熱心なファンたちは、オンライン掲示板Redditで、スウィフトがファンたちを搾取していると批判。
「同じアルバムなのになんでこんなにたくさんバージョンがあるの?金儲けとしか感じられない」
「テイラーのこのやり方に嫌気がさしてきてる」などとコメントした。
スウィフトがこうした収益戦略を取ったのは初めてではない。
2022年にアルバム「ミッドナイツ」をリリースした際も、4バージョンのレコードを買えば、ジャケットの裏側を合わせると時計になる、とスウィフトはSNSに投稿。また、それぞれに違うボーナストラック1曲を収録した複数バージョンのアルバムをリリースした。つまり、全ての曲を聴きたければ、全バージョンを買わなくてはいけないことになる。
こうした戦略を考えれば、スウィフトが11月に億万長者の仲間入りを果たしたことも不思議ではない。Bloombergによると、スウィフトの現在の総資産は11億ドル(約1614億円)だという。
さらに、今度はスウィフトのコンサート映画「テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR」のロングバージョンが動画配信サイトで有料レンタルされると発表され、ファンは苛立ちを募らせている。
このコンサート映画はすでに劇場で数週間上映されており、大人チケットはアルバムタイトル「1989」にちなんで19ドル89セントで販売されている(日本では2000円)。
報道資料によると、レンタル配信でもこの料金は同じようで、この映画を48時間デジタルプラットフォームでレンタルするのに19ドル89セントかかるという。
しかし、ファンたちはこの料金に納得しておらず、映画を購入ではなくレンタルのみ可能にすることで、さらに儲けようとしているとスウィフトを批判した。
Xでは、「なんで無料にしてくれないの?テイラーは億万長者で、私たちはもう劇場で見るためにお金を払ったのに」
「テイラーは最近金儲けに走りすぎじゃない?もう億万長者なんだから、1回見るために20ドル支払わせなくても良くない?」などと嘆くファンもいた。
Redditでも、「テイラーはここから可能な限りのお金を搾り出そうとしてる。レンタルだなんておかしい」
「完全に資本主義の女王だね」
「金儲けはもう十分でしょ。億万長者なんだから。同じCDを8つのバージョンで出したのもやりすぎだと思ったけど、これはもうひどい。普通に配信するか、購入させて。すっごい嫌な感じ」とファンからの声が寄せられた。
また、劇場版の映画から3曲を削除し、それをレンタル配信版で視聴できるようにしたことに不快感を示す人もいた。つまり、映画館でお金を払って映画を観たファンも、この追加パフォーマンスを観るためには再度お金を払わなければいけないのだ。
一部の人は、レンタル配信版に「カーディガン」のパフォーマンスが収録されていないことを指摘。また他の方法でファンにお金を払わせて見せるのではないかと懸念を示した。
スウィフトは2024年2月、日本の東京ドームでコンサートを予定している。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。