フリマアプリの「メルカリ」は、11月24日金曜日の「グリーンフライデー」に合わせ、古着だけのファッションショーを東京・渋谷で開催した。
11月第4金曜日の「ブラックフライデー」は、毎年大規模セールが行われ、過剰消費の象徴と指摘されている。これに対して近年、持続可能な消費を提唱する「グリーンフライデー」という動きが欧州を中心に広がっており、このファッションショーもその一環だ。
「新作」はゼロ。「サステナブルにファッションを楽しもう」がテーマだ。
アイテムはメルカリからだけでなく、古着ショップのRAGTAGやCIRCULABLE SUPPLY、またTHE NORTH FACE(キッズ古着のみ)からセレクトされ、人気スタイリストのRiku Oshimaさんがコーディネートを手がけた。
ファッションを楽しむのに「新しい」必要はない
ファッションショーの会場は、渋谷でもラグジュアリーブランドショップが立ち並ぶ明治通りからすぐ入ったところにある「渋谷キャスト」の屋外大階段。階段の両端には花や植物が飾られ、ランウェイにはグリーンのカーペットが敷かれている。
音楽と共にショーがスタート。
最初に登場したモデルは、黒のベレーに黒のジャケット、その下には赤いチェックのワンピースシャツのようなものに、プリントのある黒いズボンを履いている。
それぞれどこのブランドのものか分からないが、スタイリングのおかげか、洗練されていて「ハイエンド」なものに見える。
他にも、個性の強いアイテムを使ったスマートなルックや、パンツにジャケットといったシンプルな着こなしなど、子どもから大人まで、約16人のモデルがランウェイを歩き、さまざまなテイストのファッションを披露した。
ランウェイを堂々と歩くモデルたちは、なんとメルカリアプリのユーザーたちだという。
ファッション業界は「世界第二の環境汚染産業」
メルカリがグリーンフライデーに取り組むのは今年で4回目。2020年から、サステナブルファッションショーや期間限定の実店舗などのイベントを開催してきた。
同社によると、2023年には「メルカリ」に不要品が出品されたことで、日本で1年間に捨てられる衣類の総重量の約9%に相当する、約4.3万トンの衣類廃棄が削減されたという。
ファッション業界は「世界第二の環境汚染産業」とも呼ばれており、アパレル各社も近年、経営戦略としてサステナビリティに関する施策を強化している。
「過剰消費」のブラックフライデーから「消費を考える」グリーンフライデーに
イベントが開催された渋谷エリアは、ファストファッションから高級ブランドまで、たくさんのショップが店を並べている。一方、オシャレな古着屋や、サステナビリティやリペアに重きを置くブランドも多くあり、「持続可能な消費」をする選択肢もある。
今年のブラックフライデーからは、必要でもないけど安くなっているからといって大セールでショッピングするのではなく、今持っている物を見直し、持続的な消費を考えるグリーンフライデーにシフトしてみてはいかが。