内閣府は11月10日、「気候変動に関する世論調査」の結果を発表した。気候変動に「関心がある」と答えた人は多かったが、年代によって差があった。
89.4%が気候変動に「関心がある」
まず、調査で「気候変動が引き起こす問題に関心があるか」を尋ねたところ、89.4%の人が「ある」と答え、9.8%の人が「ない」と答えた。
年代別でみると、「関心がある」「ある程度関心がある」と答えたのは60~69歳で95.3%、50〜59歳で94.6%に上り、他と比べて高い関心を持っていることが分かった。
一方、18~29歳は70.7%にとどまり、「あまり関心がない」「全く関心がない」と答えた人の割合が一番多い結果となった。
また、気候変動問題に対する国際的な取り組みであるパリ協定を知っているか尋ねたところ、78.8%の人が「知っている」と答え、「知らない」と答えた人は20.1%だった。2020年調査に比べ認知度が低下し、年齢が下がるほど低くなる傾向だ。
この質問で「内容まで知っている」「名前は聞いたことがある」と答えた人に「パリ協定」について何で知ったのかを聞いたところ、テレビ・ラジオが一番多く、次いで新聞・雑誌・本という結果になった。XなどのSNSで知ったという人は5.3%とかなり低いことが分かった。
若者ほど「積極的に取り組みたい」と回答
以上の調査の結果では年齢が上がるほど、気候変動に関する問題や認知度が高い傾向があった一方、二酸化炭素などの排出を減らす取り組みについての考えを尋ねたところ、「積極的に取り組みたい」と答えたのは18~29歳が31.0%で、すべての年齢層の中で最も高かった。
この調査では、「日常生活で行っている脱炭素社会の実現に向けた取り組み」「日常生活で感じる気候変動影響」「気候変動適応に関して企業に期待する取り組み」などについてのアンケート結果も記されている。
調査は7月27日〜9月3日に実施。18歳以上の3000人が対象で、1526人から郵送とインターネットで回答を得た。