アメリカ・ニューヨークで目の見えない犬が冷たい池にはまって動けなくなっていると通報があり、警察官2人が救助に向かった。制服のまま池に入り、動けなくなった犬を必死に引っ張りあげ、自分の上着をかける動画が公開されると「ヒーローに感謝」など称賛が集まっている。
ニューヨーク市警に通報があったのは10月31日。この日のニューヨーク(マンハッタン)は最高気温が15度と寒かった。警察が公式Facebookページに救助の経緯と動画を投稿している。それによると、ベイズリー池で動けなくなったのは目が見えない8歳のボーダーコリーのスパーキー。
駆けつけた警察官は制服のまま池に入り、植物の間に挟まって動けなくなったスパーキーのところまで棒を使ってかき分けながらぐいぐいと進んでいく。息を切らしながらも、背中の高さまで水に浸かったスパーキーに「ヘイ、わんこ、おいで」と話しかける。
でもスパーキーは低く弱々しい声で「グゥゥ、グゥゥ」と苦しそうにし、動くことができない。
警察官は「大丈夫、大丈夫」と言いながら、スパーキーの背中をつかんで必死に水から引っ張りあげた。
いったん抱き上げると、スパーキーの体が水につかないように両脇を持って抱え上げた状態で陸に向かって戻っていく。中型犬のスパーキーを持ち上げながら水の中を進むのは容易ではないとみられ、警察官の呼吸が一層荒くなった。
なんとか陸地に下ろされたスパーキーだったが、自分では動けずにその場で固まってしまった。
警察官はびしょ濡れになった無線機で何か連絡を取った後、スパーキーを抱えて警察車両に向かった。そして、まったく躊躇することなく、びしょ濡れのスパーキーを後部座席に乗せた。
寒さのためか「感覚がない」という警察官の声も聞こえる。
タオルを持ち合わせていなかったようで、前の座席から自分の上着を取り、スパーキーにかけた。
スパーキーは動物の救急病院で飼い主と再会を果たしたという。
ニューヨーク市警がこの動画を11月2日に公開すると、「すばらしい警察官たち」「ラッキーな犬ですね」「素早い反応で冷たい水から犬を救って飼い主のもとに戻してくれてありがとう」「自分の上着をかけてあげるなんて尊い」など感謝を伝えるメッセージが数多く寄せられている。