知ってた?正しく鼻をかむコツ。「鼻すすり」は身体に悪影響、中耳炎になることも

鼻水や鼻詰まりに悩む季節に知っておきたい、「鼻すすり」のリスクと対処法を紹介します
ウェザーニュース

全国的に暖かな秋が続いていましたが、11月に入って冷たい風が吹きはじめています。この時季は、風邪や季節性アレルギー性鼻炎などで、鼻水や鼻詰まりに悩まされることが増えます。

ウェザーニュースでは、最近の鼻の調子について、アンケート調査を実施したところ、「鼻をかんだ」が29.6%、「鼻をすすった」が16.4%、「両方」が14.5%という結果でした。

「問題なし」は約4割にとどまり、6割以上の人が何かしらの不調を感じているようです。

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こうした鼻の不調が続くと、なかには、気づかぬうちに鼻すすりが癖になっている人もいるといいます。

アメリカやヨーロッパなどでは、鼻水はかむためには大きな音を出しても、「ズルズル」とすするのは気持ちが悪いため嫌われています。こうしたマナーの問題だけでなく、鼻水をすすることは、身体に対しても悪影響を及ぼします。

大阪はびきの医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科医務局長・主任部長の川島佳代子先生に、鼻すすりが引き起こす恐れのある病気や正しい鼻のかみ方など教えていただきましょう。

鼻すすりはなぜよくないのか

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室内外の寒暖差や風邪などのせいか、気づくと鼻をすすっているということはないでしょうか。グズグズいわせているのも不快ですが、鼻すすりもよくないといいます。

「鼻すすりは、鼻水が垂れそうになったり鼻詰まりを起こしているときに、不快な状態を解消しようとして鼻水を吸い込む行為です。

鼻すすりがよくない理由として、吸い込むときに耳に圧力がかかってしまうことがあります。鼻と耳は耳管(じかん)という管でつながっています。鼻をすするとき鼓膜に圧がかかり、内側にへこんでしまうのです。

これを繰り返しているうちに中耳の機能が傷害されることがあります。鼓室の粘膜から滲出液がにじみ出て滲出性中耳炎になったり、鼓膜がへこんだままになる癒着性中耳炎や、鼓膜の一部がへこんでが中耳に入り込み、かたまりになる真珠腫性中耳炎にる恐れがあります。

アレルギー性鼻炎など鼻の病気にかかった後に滲出性中耳炎になる患者さんは少なくなく、鼻すすりを止めるよう指導もします。

鼻水を吸い込むことで、耳管に流れてしまうのも問題です。鼻水は、鼻の粘膜についた細菌やウイルスを流すためのもの。本来体外に出ていくべき鼻水が体の奥に入ってしまいます。鼻水が耳管を通して中耳に入ると急性中耳炎を起こし、耳痛や耳だれをおこすことがあります。

また、耳管ではなく喉に流れてしまう場合もあります。鼻水に付着した細菌やウイルスが、喉に流れることで、喉の炎症を引き起こす恐れもあるのです」(川島先生)

鼻すすりをしないために

鼻すすりが癖になってしまうのはよくないのですね。

「鼻すすりの原因となる風邪や鼻炎など、原因となる疾患をなるべくはやく治すことが大切です。特に、まだ体の器官が未発達なお子さんは、中耳炎などにかかりやすくなります。鼻すすりが続くようなら、耳鼻科を受診しましょう。

ただ、鼻水は細菌やウイルス、アレルギー物質などを含んでいるので、そのまま鼻の中に溜めておくのもよくありません。鼻水が出る間は、こまめに鼻をかんで除去することです」(川島先生)

正しい鼻のかみ方を行うのも大切だといいます。

「両鼻を一度にかむ人がいますが、鼓膜に強い圧力がかかってしまいます。鼻をかむときは、一気にかもうとしないこと。優しく、片方ずつ行うのがポイントです。

ティッシュを鼻に当て、片方の鼻翼を押さえながら、ゆっくり反対の鼻水を出します。反対側の鼻水も同様に出し、左右交互に何度か繰り返して、鼻水が残らないようにします」(川島先生)

11月から年末にかけては、忙しく体調も崩しやすくなります。鼻水からさらなる不調を招いてしまわないよう気をつけていきましょう。

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