米カリフォルニア州のオークランドに住む男性が、湖の近くでゴミ拾いをしていたところ、極めて珍しい動物を発見した。男性が遭遇したのは、「白いアライグマ」だった。
ダナ・ベリーさんは10月初め、メリット湖付近で、仲間たちと週末のゴミ拾いのボランティアに参加していた。買い物カゴやおもちゃ、テープレコーダーなど様々なゴミの撤去作業をしていた時、ダンボールでできたゴミ箱の中から奇妙なうなり声が聞こえてきたという。
「ゴミ箱の下を見ると、毛むくじゃらで大きな目と大きな歯をしたあいつが、こっちを見上げていた。最初は(有袋類の仲間の)オポッサムだと思った。その後、『よし、安全な場所に連れて行こう』と考えた」
当時の映像には、缶やプラごみなどが入ったゴミ箱の中で、一匹のアライグマが少し困惑した様子で上を見上げているのがわかる。顔周りを含め、全身が白っぽい毛で覆われている。
ベリーさんはアライグマがゴミ箱から出られるよう、箱を茂みの近くまで移動させ、ゴミ箱の口の部分をゆっくり地面に傾けた。
「さあ、行っていいんだよ」
ベリーさんは優しく声をかけ、少し距離を置いて見守った。アライグマはしばらくして恐る恐る外へ出た後、木をよじ登りその場を離れたという。
動画には、「(色違いのポケモンを指す)Shiny Pokemonだ」「私にはオポッサムに見える」「大きなネズミかと思った」など様々なコメントが寄せられている。
NBC Bay Areaは、野生動物の専門家の話として「白いアライグマに遭遇する確率は75万分の1ほどで、雷に撃たれるのと同じくらいの確率」だとその珍しさを紹介している。
地元メディアSFGATEは、白いアライグマがメリット湖周辺に何匹ほど生息しているかは不明だが、過去の目撃情報から少なくともひと家族は存在しているとみられる、と報じている。
カナダ・ノバスコシア州を拠点に動物の保護活動に取り組む「ホープ・フォー・ワイルドライフ」の創設者ホープ・スウィニマー氏は、白いアライグマを野生で見つける機会はめったにないとしつつ、団体ではこの数年間で10以上の白いアライグマを保護してきたという。
アライグマ以外にもリスやミンク、スカンク、そしてカラスでも、体が白く変色している個体を引き取ったことがあるという。