ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突などがトップニュースとして報じられている今、ポジティブなニュースはあまりないと感じてしまいがちだ。
そこで、気候変動へのアクションに関する最近のちょっと良いニュースをいくつかまとめてみた。
何年もの間、地球の未来について恐ろしい警告を耳にしている私たちにとって、ちょっとした良いニュースでも喜ぶ価値がある。
1. パリ協定以降、私たちは実際に改善している
世界各国は2015年、気候変動を産業革命以前のレベルから1.5℃の上昇までに抑えることに合意した。
それから数年が経ち、確かにまだその目標に達してはいないが、改善はしている。
パリ協定以前は、2100年までに地球の気温が3.5℃上昇する見込みだったが、現在は2.5℃上昇の見込みに低減された。
9月末に発表された国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、ソーラーパネル、風力タービン、電気自動車の利用により、2015年から2030年の間に排出されるCO2量はパリ協定前の予測より75億トン減少すると予測されている。
しかし専門家たちは、ソーラーパネルの設置や電気自動車への切り替えなどの取り組みは、必要な地点にまだまだ到達していないと述べている。
とはいえ、現在の行動により、世界の気候汚染は2020年代半ばまでにピークに達するはずである。
2. 日本が気候基金に巨額の支払いを約束
開発途上国の気候変動対策を支援するため、国連主導で設立された「緑の気候基金」に、日本が1650億円を拠出することを約束した。
この基金により、すでに10億人を援助し、29億トンのCO2相当量が大気に放出されるのを回避し、128カ国で228件のプロジェクトが支援されたと報告されている。
日本は10月5日、2020年から2023年にかけて国が緑の気候基金に拠出した資金と同額を、2024年から2027年にかけて拠出すると発表した。
この決定により、日本はドイツ、イギリス、フランスに次ぐ、同基金最大の寄付国の1つとなった。
3. コカ・コーラ社がCO2からキャップを作る試験を発表
世界最大級のプラスチック生産企業の1つであるコカ・コーラ社が、大気のCO2からボトルのキャップを作るというスウォンジー大学の3年間の実験の資金を提供する。
コカ・コーラ社は、2040年までにネット・ゼロ(温室効果ガスの排出量を、全体で正味ゼロにすること)を達成しようとしているが、パッケージのほとんどは化石燃料から作られており、製造時に多くのCO2を大気中に排出している。
実際、温室効果ガスの調査機関、グローバル・カーボン・プロジェクトによると、プラスチック製造工程は世界全体のCO2排出量の約1%を占めるという。そのため、この技術への期待は高い。
BBCの報道によると、この技術の工程は、電荷がCO2(近所の工場から回収されたものや、自社からの排煙)と水の混合物を通過してエチレンを生産し、それがボトルの蓋に使用されるという。
4. ヨーロッパの閉鎖された炭鉱の活用
ヨーロッパ中にある閉鎖された炭鉱が、ゼロ・カーボン(上記のネット・ゼロと同じ)・エネルギーの供給源として第二の人生を楽しんでいる。
イングランドのゲーツヘッドでのプロジェクトは、坑道に溜まった温水を利用し、350戸の高層住宅、大学、アートギャラリー、オフィスビルなどの住宅や企業を、過去6カ月暖めてきた。
イングランドの炭鉱は何年も利用されなかった後に氾濫し、推定20億立方メートルの温水が地球によって温められるようになった。
euronewsによると、この温水はイギリスの全住宅の4分の1、特に旧炭鉱地域の地下に眠っている可能性があり、巨大なエネルギー源となるポテンシャルを秘めているという。
水には有毒な化合物が含まれていることが多いが、深さ1キロで45℃に達することもあり、熱として利用可能だ。
仕組みは、穴を掘削して水を地表に引き上げ、ヒートポンプと熱抽出器を通してから暖房システムに送るというもの。
その後、水は鉱山に戻され、再び加熱される。
5. 特殊なスポンジがマイクロプラスチックを吸収できるかもしれない
実際に彼らの研究によると、このスポンジは、液体からマイクロプラスチックとナノプラスチック両方をスポンジの細孔に閉じ込め、除去できることが分かった。液体の状態にもよるが、スポンジはマイクロプラスチックを最大90%除去することができた。
また、研究者たちは開発中のスポンジを調整し、吸収性を高めたり低めたりすることもできる。
このスポンジは、洗濯機の中で衣服から出た繊維を吸収するために使用することもできる。しかし研究チームは、海中のプラスチックを吸収するために使用するのは野心的すぎると示唆している。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。