自治体がLGBTQ当事者らのカップルの関係を認める「パートナーシップ制度」の人口カバー率が全国で75%を超えたことを、公益社団法人「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」が発表した。
10月1日の段階で、導入自治体数は350。人口にして9513万5937人分となる。
パートナーシップ制度は、法律上の性別が同じふたりが結婚ができないことなどを受け、2015年から各自治体が導入している。従来できなかった公営住宅への入居や、公立病院での面会や手術の同意などが可能になることが期待できる。だが性的マイノリティの権利を保障する法的拘束力はないため、結婚の平等(いわゆる同性婚)の早急な実現が求められている。
結婚の平等をめぐる「結婚の自由をすべての人に」訴訟は現在、6カ所の地裁・高裁で進んでいる。これまでの1次訴訟で5カ所の地裁のうち4カ所が違憲判決を下しているが、国はいまだに具体的な議論を進めていない。
10月からパートナーシップ制度を導入した自治体は、鳥取県と島根県に加え、和歌山県新宮市、広島県府中市、鹿児島県日置市など。全自治体の一覧は、同団体の導入自治体リストから確認できる。
当事者らは、全国の自治体でパートナーシップ制度が拡充するのを歓迎している。一方で「法的効力が無いままではダメだよね」「市外に転居する時に一度、制度を解消しないといけないので少し使いづらい」といった声も寄せられている。
「Marriage For All Japan ー結婚の自由をすべての人に」は公式X(旧Twitter)で、「もうすぐ8割です。早く議論を、そして、早く、性別関係なく結婚を認めてください」と念押し。「自治体にはできません。国にしかできないことです。1日も早くお願いします」と強く訴えている。