経済産業省は10月6日、インパクトスタートアップの育成支援プログラム「J-Startup Impact」を設け、「ロールモデルとなることが期待される30社」を選定し、公表した。
インパクトとは、「事業や活動の結果として生じた、社会的・環境的な変化や効果」のこと。インパクトスタートアップは、社会課題の解決と持続可能な成長の両立を目指すスタートアップ企業を指す。
インパクトへの取り組みでは、社会課題の解決を目的にポジティブな影響を測定、可視化し、投資や企業価値に活かすことが期待されており、世界的に注目を集めている。
「J-Startup Impact」で500社の応募の中から今回選ばれた30社は以下の通り。
五常・アンド・カンパニー、リージョナルフィッシュ、自然電力、坂ノ途中、READYFOR、インスタリム、WOTA、サグリ、アストロスケール、TBM、ヘラルボニー、ミライロ、バイオーム、WASSHA、ファーメンステーション、KAPOK JAPAN、ユニファ、ファストドクター、Synspective、Global Mobility Service、リンクルージョン、エレファンテック、プランテックス、Eco-Pork、ライフイズテック、CureApp、バオバブ、SHE、メロディ・インターナショナル、ユーグレナ
このうち、19社は一般社団法人インパクトスタートアップ協会に加盟する企業。途上国の低所得者層に良質な金融サービスを提供し、起業や就労の機会に繋げることで貧困からの脱出を目指す五常・アンド・カンパニーや、「午睡チェック」「写真サービス」「連絡帳アプリ」など、総合ICTサービス「ルクミー」を通して保育施設のDX化を進めるユニファなどが選出された。
政府は選定企業に対して、「国内外の大規模イベントへの出展支援、海外現地支援、入札機会の拡大、民間企業とのマッチング」に加え、「インパクトの測定・管理」や「グローバル認証取得」などに関して、専門家の相談窓口につなぐ支援や、国内外に向けた発信の強化などを行う。
西村康稔経産相は同省のホームページで、「インパクトスタートアップこそが、新しい資本主義の考え方を体現する存在であると考えています」などとコメントした。
最近では金融業界でもインパクト投資に注目が集まっている。「売り上げが上がるごとに、社会も良くなる」、そんな資本主義のアップデートにつながるか注目だ。