私たちが日々使っている外来語やカタカナ語。すっかり定着した言葉もあれば、実はよく分からずに使っているという単語もあるでしょう。
外来語を他の言葉で言い換えたいときは、国立国語研究所の「外来語言い換え提案」が参考になります。
「外来語言い換え提案」は、公共の場などで使われる少し分かりにくい外来語について、言葉遣いを工夫して分かりやすい言い換えを提案するもの。国立国語研究所の外来語委員会が2003〜2006年、計4回発表し、一覧にまとめました。
20年前の提案なので、一覧の中には、現在は定着している外来語もあるかもしれません。
「インセンティブ」。この言葉の意味や、「日本語」で言い換えたら何というか知っていますか?
それでは見ていきましょう。
♢言い換え語
意欲刺激
♢用例
環境負荷の少ない製品づくりに対するインセンティブはほとんど働いていない。
♢意味説明
ものごとに取り組む意欲を,報酬を期待させて外側から高める働き
♢
手引きとして、労働や経済などの専門分野で「誘因」という言い換え語が使われることがあるが、一般に対して伝える場合は、やや分かりにくい面があると指摘しています。
「モチベーション」(動機付け)が、意欲を内側から高める働きかけであるのに対して、「インセンティブ」は、報酬を期待させた外からの働きかけ。この違いを区別する必要のない場合は「動機付け」と言い換えることもできるといいます。
成果に報いる報酬そのものを指す場合は、「奨励金」「報奨金」などの言い換え語が適切になる場合もあります。企業などの営業努力を高めるための措置を指す場合は、「優遇措置」と言い換えることもできるそうです。
意欲そのものを指して用いられることもあり、その場合は単に「意欲」と言い換えることができます。
♢その他の言い換え語例
誘因 動機付け 奨励金 報奨金 優遇措置 意欲