私たちが日々使っている外来語やカタカナ語。すっかり定着した言葉もあれば、実はよく分からずに使っているという単語もあるでしょう。
外来語を他の言葉で言い換えたいときは、国立国語研究所の「外来語言い換え提案」が参考になります。
「外来語言い換え提案」は、公共の場などで使われる少し分かりにくい外来語について、言葉遣いを工夫して分かりやすい言い換えを提案するもの。国立国語研究所の外来語委員会が2003〜2006年、計4回発表し、一覧にまとめました。
20年前の提案なので、一覧の中には、現在は定着している外来語もあるかもしれません。
「イニシアチブ」。この言葉の意味や、「日本語」で言い換えたら何というか知っていますか?
それでは見ていきましょう。
♢言い換え語
1.主導
2.発議
♢用例
1.市町村のイニシアチブのもと,地域住民の参画を得て作成した地域全体の振興計画
2.国際法の枠組みを変えてしまおうというイニシアチブであり,
♢意味説明
1.自ら率先して先頭に立ち,他を導くこと
2.率先して提唱する政治の方針
♢
「主導」の手引きとして、文脈によって「率先」と言い換える方が適切な場合があるといいます。「イニシアチブを取る(握る)」という形などでは「率先する」「主導権を取る(握る)」と言い換えるのが適切になると補足しています。
「発議」の言い換えとして使用する場合は「○○イニシアチブ」の形で発議した人や、発議が行われた会議の開催地、発議の目的や内容を「○○」に示して用いられる場合が多いといいます。
こうしたものを引用する場合は「○○構想」「○○行動計画」などの語で説明を加えることが推奨されています。
また、住民投票にかける提案を、住民自身が発議する制度を指して使われる場合は、「住民発議」という言い換えが望まれるとされています。