気候変動対策をめぐり、ポルトガルの若者6人がEU全加盟国、イギリス、ノルウェー、ロシア、スイス、トルコを含む32カ国の政府を相手に提訴し、9月27日、ストラスブールの欧州人権裁判所(ECHR)で審理がスタートした。
BBCによると、11歳から24歳までの原告6人は、2017年以来ポルトガルで毎年発生している森林火災は地球温暖化の直接の結果であるとして、各国政府の気候変動が不十分なために、基本的人権が侵害されていると主張している。
この裁判は、欧州人権裁判所に提起された初めての気候変動訴訟であり、気候変動対策を強化するために政府を訴えた最大の例となる。
原告の一人、クラウディア・ドゥアルテ・アゴスティーニョさんは同社の取材に対して、2017年にポルトガルを襲い、100人以上が死亡した極度の熱波と火災を思い出しながら「山火事のせいで、自分の将来がどうなるのかとても不安になりました」と語った。
CNNの取材に対し、原告らの訴訟を支援してきたグローバル・リーガル・アクション・ネットワーク(GLAN)のディレクター、ギアロイド・オ・クイン氏は、「これはまさにダビデとゴリアテ※の訴訟であり、その規模と潜在的な影響において前例のないものである」と述べた。
「これほど多くの国が、世界の前で自らを守らなければならなくなったことはかつてなかった」(ギアロイド・オ・クイン氏)
※羊飼いの少年ダビデが、凶暴な大男の兵士ダビデを倒した逸話から、「小さな者が大きな者を倒すことを意味する。
環境活動家らが政府を相手取る裁判は世界に広がりつつある。8月14日には、アメリカ・モンタナ州の裁判所で、若者16人が化石燃料の採掘する際、温室効果ガスの排出量調査を制限する州法がモンタナ州憲法に違反するとして訴訟を起こし、勝訴した。
AP通信は、もし今回の欧州人権裁判所での裁判で若者たちが勝訴すれば、若者たちが法的手段によって各国政府に気候変動対策の抜本的な見直しを迫る強力な事例となるだろうと見解を示した。