アメリカ・カリフォルニア州の中学生が2人の生徒に殴られて亡くなった事件をめぐり、生徒たちが通っていた学校がある学区が遺族側に国内最高額となる2700万ドル(約40億円)の賠償金を支払うことに合意した。
訴訟資料によると、事件が起きたのは2019年9月16日。ランドマーク中学校に通う13歳のディエゴ・ストルツさんは、生徒2人から頭部を殴られた。ストルツさんは地面に倒れ、コンクリートの柱に頭をぶつけ、脳に損傷を受けたとされている。
遺族側の弁護士事務所が公開した動画には、ストルツさんが殴られた時の様子が映っている。
ランドマーク中学校があるモレノ・バレー統一学区が13日に賠償に応じた。
弁護士事務所によると、ストルツさんはビデオゲームやサッカーをするのが好きなどこにでもいる13歳で、学業にも熱心に取り組み、友人も多かった。両親が亡くなった後、おじとおばに育てられていたという。
主任弁護士のデイブ・リング氏は「ディエゴの死による遺族の苦しみは永遠に続くだろうが、この事件が全米の学区に変化をもたらしてほしい。学校は、いじめは決して許されないことであり、いじめや暴行についての訴えはどんなものであっても真剣に受け止められなければならない。もし、ランドマーク中学校がいじめ防止に重きを置いていれば、ディエゴの死は防げたはずです」と発表の中で述べている。
CNNによると、提訴は2020年。ストルツさんが亡くなる数日前に、家族が学校管理者と会い、保護を求めたと弁護士が説明していると、USAトゥデイが伝えている。学校側は問題の生徒を3日間停学にすると約束したが、ストルツさんが次の月曜日に学校に行くと、いじめた生徒がいたという。
訴訟資料ではモレノ・バレー統一学区などがストルツさんの命を救えたはずの危険信号をあからさまに無視したとしている。
学区側の弁護士のマイケル・マーラット氏は、学区は賠償の金額について「フェアで納得のいくものとみている」と述べている。
地元テレビ局KABCは、ストルツさんに暴行した2人について、過失致死罪を認めて少年院で47日間を過ごし、保護観察処分が言い渡された後に両親の元に戻ったと2021年に報じていた。