台風13号(インニョン)は北東進して東日本に接近することが予想されています。昨日6日(水)から進路予報が西寄りに変化し、東海~関東に上陸の可能性がでてきました。
発達した台風ではないものの、雨の強まり等に注意が必要です。
太平洋高気圧が強まる傾向か
台風13号は太平洋高気圧の縁を沿うように北東進していますので、この高気圧の勢力によって進路が変わるといえます。
7日(木)21時の予想天気図に上空の気圧配置を重ねると、太平洋高気圧が本州の南東から張り出す様子がわかります。この太平洋高気圧が、当初の予想よりも勢力を本州方面へ拡大しやすい状況になっているとみられます。
この影響で台風13号は東寄りに進むことが難しくなり、当初の予測よりも西の進路をとる可能性が高くなっているといえそうです。
その他にも、予測シミュレーションの初期値に使われる実況解析の変化なども、予報の変化に影響していると考えられます。
勢力が弱いことも予測誤差に影響か
この図は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。円形のプロットは24時間ごとの存在位置を色分けしたものです。
東海道沖から先の進路は大きく二分されているような状況で、北東進して関東の東へ進むメンバーと、北上して本州を横断し日本海方面へ進む予想をするメンバーとにわかれます。
また、シミュレーション結果の中には低気圧(台風)の中心を北東進するものと北上するものに分裂させて予測しているものもあります。これは低気圧(台風)の勢力が弱いためで、陸地の影響を受けて分離してしまっているものと考えられます。
気象庁の台風予報でも、中心が入る確率が70%である予報円の大きさが、24時間先の8日(金)9時で120kmとなっています。これは現行の台風の24時間先の予報円としては最も大きいサイズであり、進路の不確実性が非常に大きいことを表します。なお、予報円の大きさは台風の強さや大きさとは無関係です。
上陸すると雨などの影響が拡大 東寄りに進むと影響は限定的
台風13号は発達しても暴風域を伴わない程度にとどまると考えられますが、もし本州へ接近・上陸した場合は広範囲で雨が降り、局地的な激しい雨や強風など影響が拡大することが想定されます。交通機関への大打撃はない見通しですが、鉄道の一部遅延等は発生する可能性があります。
一方で、関東沖を進んだ場合には伊豆諸島を除く地域では影響は限定的となる見込みです。進路によって影響がでるエリアも変わるため、今後の情報に注意してください。
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