転職活動をしているけど、なかなか書類選考を通過できない….そんな悩みを抱えたことがある方も多いのではないでしょうか。
求人情報サイトなどを手がけるビズヒッツが運営するメディアBiz Hitsが、転職活動をしたことがある499人を対象に「転職活動で書類選考に通らないときの対処法に関する意識調査」を実施し、9月4日にランキングを発表しました。
7割が書類落ちを経験
調査によると、転職活動をしたことがある人に「書類選考に通らなかった経験があるか」と質問したところ、「ある」と答えた人は71.7%と過半数を占めることが判明しました。
書類選考の通過率は30~50%程度と言われているといい、書類選考で落ちてしまうのは、よくあることのようです。
次に、書類選考に通らなかった358人に「書類選考に通らなかった理由」について聞きました。
<5位 マッチ度が低かった(25人)>
・会社の求めている人材と自分がミスマッチだった(27歳 女性)
企業研究が十分にできていないと、マッチ度が低い企業に応募して落選してしまうケースが起こりやすいと言えます。
<4位 年齢の問題(57人)>
・年齢が35歳を超えた途端に、通過率が悪くなった(37歳 男性)
企業が応募者を年齢によって不採用とすることは、特別な理由がない限り禁じられています。しかし実際には、年齢が問題視されたと感じている人も多くいると明らかになりました。
<3位 経験不足だった(68人)>
・職業訓練で資格を取得したものの、実務経験がなく未経験からの応募だったため(28歳 女性)
・資格はもっていたのですが、現場での勤務経験が一度もなかったために通らなかったのだと思います(35歳 女性)
転職サイトでは、「未経験OK」「資格があれば実務経験なしでもOK」という求人も多くあります。しかし、そのような求人でも、経験者の方が応募時に有利になるでしょう。
<2位 応募書類の書き方が悪かった(69人)>
・職務経歴書に具体的な数字を記入できず、情報不足だった(28歳 女性)
・志望動機・自己PRの書き方が悪かった。要点がまとまっておらず、誰に何を伝えたいのか意識できていなかった(34歳 男性)
職務経歴書の書き方も、応募時には重要になります。今回の調査では「企業研究や自己分析がおろそかで、志望動機や自己PRが弱かった」という意見も目立ちました。
<1位 スキル不足だった(136人)>
・スキルが足りず、戦力にならないと評価されたからだと思います(25歳 女性)
・人事部門の募集に絞り込んでいたため、労務・組合関係や人事制度策定の知識がなく、採用のスキルだけでは書類選考を通過できなかったと思われます(28歳 男性)
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圧倒的1位は「スキル不足だった(136人)」という結果になりました。スキルや経験が不足していることは承知の上で「憧れの会社」や「希望の職種」に応募し、書類選考で落ちた人も多いのかもしれません。
業務に求められるスキルが足りないことが、書類選考で落ちてしまった原因だと感じた人も多数いました。即戦力が求められることが多い中途採用では、応募先の企業が求めるスキルを保有していることが重要になります。
また「転職回数が多い」「短期離職の経験がある」など、職歴を問題視されたのではと感じている人も一定数見られることが調査から明らかになりました。
書類選考に通らなかったとき、どうしてる?
書類選考に通らなかったときの対処法について聞いた質問には、次のような考えが寄せられました。
<5位 別の会社に応募する(30人)>
・条件が難しそうなところでもとりあえず書類を送ってみて、ダメなら次へ行く手法をとっていた(29歳 男性)
・とりあえずたくさん応募する(30歳 女性)
・とにかく気になった求人に募集するしかなかったです(54歳 男性)
書類選考で落ちても、とにかくたくさん応募するという人もいました。
前向きに転職活動を続ける姿勢は大切ですが、書類の書き方をブラッシュアップしたり、応募先に合わせて変えたりしないと、通過率が上がらない可能性には留意しましょう。
<4位 転職エージェントに相談(38人)>
・エージェントに登録して、履歴書を添削してもらった(23歳 女性)
・転職エージェントに添削してもらった(40歳 男性)
転職エージェントを利用すると、履歴書や職務経歴書の添削をしてもらえたり、「企業研究に役立つ情報」「企業がほしがる人材の特徴」などを教えてもらえたりします。志望動機や自己PRも充実させるためにも、転職エージェントへの相談がおすすめです。
<3位 スキル獲得や資格取得をした(40人)>
・スキルを身につけるため、勉強を始めた(29歳 男性)
・スキルの勉強や新たな資格の取得(41歳 男性)
・スキル向上のため、資格の勉強を始めた(52歳 女性)
書類選考で落ちた理由として「スキル不足」と感じた人が最も多く、対処法として「スキル獲得・資格取得」に言及した人もいました。
資格が採用に直結するわけではありませんが、書類選考でライバルたちに差をつける効果は期待できるかもしれません。資格取得で熱意や勤勉さをアピールすることも可能です。
<2位 応募先の選び方を変える(93人)>
・自分の得意とする職種に絞っての転職活動(27歳 男性)
・自分の希望を最低限にし、スキルに合った職種を探すようにした(38歳 女性)
・転職先を考え直した(58歳 女性)
書類選考の通過が難しく「高望みしていたのかも」と気づき、路線変更した人もいるとわかります。
例えば大手企業や有名・人気企業は応募者が集まりやすく、書類選考の通過率苦も低くなることが予想されます。そのため人手不足で書類選考通過率が高そうな業種・職種を狙った人も。希望の企業や職種で働くことよりも「転職そのもの」が目的となっている場合には、よい選択かもしれません。
<1位 応募書類の書き方を見直す(107人)>
・履歴書の書き方を調べて工夫した(25歳 女性)
・職務経歴書の書き方を細かく変えた(42歳 男性)
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最も多いのは「応募書類の書き方を見直す(107人)」でした。
書類選考を通過できないのは、応募書類に何らかの問題があるからだと考えられます。そのためネットや本で履歴書・職務経歴書の書き方を調べ、内容やレイアウトをブラッシュアップした人も多くなりました。
書類選考で落ちることが続くと、落ち込んで後ろ向きになってしまうこともあります。
ひとりで考えるのが難しい場合は、転職エージェントやハローワークなど、第三者に見てもらうことで、新たな気づきを得られるかもしれません。