10年前に失踪した猫が、生きて再び飼い主のもとに帰ることになった。
アメリカ・カンザス州に住むキャロル・ホームズさんは、亡き父の94歳の誕生日にあるメールを受け取った。
かつて父と同じ「ボブ」という名前を付け、10年前から行方が分からなくなっていた猫が、自宅から1900キロ以上離れたノースカロライナ州内で見つかったという知らせだった。
オス猫のボブは、他の2匹の猫と近所をぶらぶらするのが好きだった。飼い始めて4か月がたったある日、ボブは帰ってこなかった。ホームズさんは町中を探し回り、チラシを貼ったりネット上の掲示板で情報提供を求めたりと手を尽くしたが、手がかりを得られなかった。
亡き父の94歳の誕生日前の1週間、ホームズさんは最愛の父や失踪したボブのことを思い出し、恋しさを抱きながら過ごしていた。そして誕生日当日の8月19日、ホームズさんがふと受信ボックスをチェックすると、ボブ発見のメールが届いていたという。
ノースカロライナ州にある動物病院がボブを見つけ、マイクロチップからホームズさんの連絡先を探し出し、連絡をくれたのだ。
突然舞い込んだ奇跡に、ホームズさんは「本当に唖然としました。10年もいなくなっていた猫が見つかるのは、とても珍しいことです」と驚く。
ボブが見つかった現地では、ボランティアグループがボブをホームズさんのもとへ帰そうと尽力している。ワクチン接種や猫用ケージの準備など、ボブの輸送にかかる費用は約1000ドル(約15万円)に上るが、募金キャンペーンのネットページをホームズさんが立ち上げたところ、すでに目標額を達成した。
「ボブを家に連れて帰るのが楽しみです!彼は天から送られたメッセージだと信じています!」とホームズさん。必要経費を上回った分の寄付金は、動物保護団体への寄付に充てるとしている。