トラック諸島近海の熱帯低気圧について、気象庁は「24時間以内に台風に発達する見込み」と発表しました。次に台風が発生すると台風12号と呼ばれることになります。
現時点では台風11号よりも北寄りを進むとみられ、日本列島に近づく可能性も考えられるため、今後の進路に注意が必要です。
▼熱帯低気圧 8月30日(水)9時
中心位置 トラック諸島近海
移動 西北西 10 km/h
中心気圧 1004 hPa
最大風速 15 m/s
最大瞬間風速 23 m/s
台風としてはあまり発達しない予想
現在、日本の周辺には台風9号(サオラー)、台風11号(ハイクイ)の二つの台風があり、台風11号の南東側で発生したのが今回の熱帯低気圧です。
マーシャル諸島からマリアナ諸島の付近では、西からのモンスーンと東からの貿易風が合流している「モンスーントラフ」と呼ばれる、広く見ると低気圧に相当する気象環境となっています。モンスーントラフには反時計回りの風の循環があり、この中で台風が生まれることが少なくありません。
現時点でこの海域は海面水温が30℃以上と水蒸気を供給するためには十分な暖かさで、台風9号・台風11号とも離れていて相互作用もほとんどなく、発達を阻害するような上空の風の流れもないため、熱帯低気圧が発達するのに適した環境が整っているといえます。このため、この熱帯低気圧は台風に発達する可能性が高いといえます。
この熱帯低気圧は台風になったあと太平洋高気圧の周囲をまわるようにして北西に進み、次第に日本列島に近づいてくる予想となっています。11号に比べて海面水温の低い北寄りを進む分、台風になってからはあまり発達せず、9月4日(月)9時には九州の南海上で熱帯低気圧に変わる見通しです。
台風としてそれほど発達しなくても、湿った空気を送り込んで強い雨を降らせるおそれがありますので、今後の情報に注意をしてください。
8月6つ目の台風発生か
今年の8月は台風7号、9号、10号、11号が発生したほか、西経域から入ってきたハリケーンが台風8号になっています。次に台風が発生すると、台風12号と呼ばれ、今月6つ目の台風発生(北西太平洋での発生は5つ目)となります。
8月の台風発生数の平年値は5.7個で、一年の中でも一番台風の発生が多くなる時期です。
今年は平年よりも台風の発生数がやや少ないペースとなっていますが、ウェザーニュースの予想では年内にあと10個以上の台風が発生するとみています。
秋が近づくと本州付近へ影響する台風が増えることが想定されるため、これからの時期に備えて台風対策・大雨対策を整えるようにしてください。
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