イースタンミシガン大学のアメリカンフットボール選手が、授業料を稼ぐために仕事を掛け持ちするチームメイトに“人生を変えるプレゼント”を贈ったことが話題になっている。
Good Morning Americaによると、イースタンミシガン大学に通うザック・コンティさんは現在4年生。同大のアメフトチーム・イーグルスでオフェンシブラインマンとして活躍する選手だ。大学の授業料を払い、大好きなフットボールを続けるため、造園など複数の仕事を掛け持ちしてきたという。
チーム監督のクリス・クレイトン氏は、全米大学体育協会からの奨学金の枠が85人分あるが、コンティさんは外れており、生活費を稼ぐために血液を売ったこともあると打ち明けている。
学費のやりくりに腐心するだけでなく、体調を崩している母親の心配も精神的に重くのしかかっている。
イースタンミシガン大学の学生新聞The Eastern Echoによると、天気がいい日は、選手たちは練習後にプールに行くことがあるが、コンティさんは仕事のため行けなかったという。午前6時からのトレーニングを終えると、夜までコンティさんの姿が見えなかったと仲間たちは話している。
そんなコンティさんのたゆみない努力に、監督もチームメイトも気づいていた。そして、1人のチームメイトがコンティさんにとって「人生を変えるプレゼント」となる驚きの提案をした。
提案をしたのは、コンティさんと同じポジションで活躍するブライアン・ドゥーリーさん。学生新聞The Eastern Echoによると、ドゥーリーさんは修士課程に在籍する大学院生で、奨学金をもらっているという。
ドゥーリーさんは、コンティさんが今シーズンでチームを辞めようとしていることを知り、何か手助けができないかと考えた。
「私たちが同じポジションで培った友情は深い。だからどうにかして支えたかった」。ドゥーリーさんは家族に自分がもらっている奨学金をチームメイトに譲ろうと考えていると伝え、みんな賛同してくれたという。
EMUアスレチックスがYouTubeに投稿したチームミーティングの動画には、ドゥーリーさんがコンティさんに封筒を手渡しする姿がある。仲間に囲まれた2人がハグすると、チームメイトたちから歓声と拍手が沸き起こり、喜びを分かち合った。
クレイトン監督は「この大学で監督になってから10年目を迎えるが、こんなことは初めてです。ドゥーリーが見せた揺るぎない友情にチームの誰もが胸を打たれた」と語っている。
コンティさんは「自分の努力が報われたような、信じられないような感じがした。最高の気分だった」とGood Morning Americaの取材にチームミーティングでの出来事について話した。
コンティさんは、ドゥーリーさんから譲り受けた奨学金を残りの大学生活と大学院で使うことができるという。