突然ですが、全国に郵便ポストがどのくらいあるか知っていますか?
正解は17万5145本(2023年3月末時点)です。ピークだった07年3月末には19万2300本ありました。
いま、郵便物の減少に伴い、郵便ポストをどう活用していくか総務省の有識者会議で議論されています。
日本郵便によると、全国の郵便ポストの25.1%は1カ月の投函が30通以下で、3.9%は1カ月の投函が0〜1通とほぼ利用されていない状況にあるといいます。
郵便物の数はピークだった02年3月末の263億1400万通から、23年3月末には144億4500万通まで減少しています。
メールやSNSを使う人が増えたことが主な理由です。
郵便ポストからの郵便物の回収は原則、毎日実施されていますが、郵便物の減少に伴って効率が悪くなってきています。
一方で、日本郵便は郵便事業を巡って、ユニバーサルサービス(全国で公平に利用できるサービス)を提供する責務があると法律で定められています。
過疎の地域は利用者が少ないのだから、郵便ポストをなくせばいいという話ではありません。
日本郵便は「取集の効率化は高齢化・人口減の進む過疎地域のユニバーサルサービスを維持する上で、全国の郵便局が抱える大きな課題」と説明しています。
そこで、検討されているのが郵便ポストを地域で活用することです。
郵便ポストにセンサーや通信、電源などの機能を付けて、地方自治体や地域住民に役立ててもらおうという考えです。
例えば、ビーコンと呼ばれる電波を発信する装置を取り付けて子どもやお年寄りの見守りに活用したり、災害時に地域住民の電源スポットにしたりする案です。
日本郵便は「ポストを地方自治体にも活用してもらうことによる公的支援を視野に、取集効率化を併せて図ることができないか検討していきたい」としています。