「母親やおばが暴力を振るわれているの見るような気分だった」――。
アメリカ・ミシガン州デトロイトで7月22日に開かれたリバーフロント音楽祭で、歌手のモニカが、暴力を受けていた女性を守ろうとしてライブを中断した。
現地で撮影された動画には、異変に気付いたモニカがステージを降りて観客の間に分け入り「そんな風に、女性を殴るんじゃない」と叫ぶ様子が映っている。
怒るモニカの後をセキュリティーガードが追い、周りのファンは声援を送っている。
その後モニカはステージに戻り、「嫌な出来事で、感情的になってしまった」と、観客に謝罪した。
「彼があの女性の顔を殴るのを見て、我を失ってしまいました。皆さんに謝罪します。心の底から謝ります」。興奮冷めやらぬ様子のモニカは「(男性の)尻をマイクで殴り飛ばしてやろうと思った」とも述べている。
さらに、モニカはこの時の動画を掲載したInstagramのコメント欄でも「あの場でも謝りましたが、ここでも自分の行動を謝罪します。だけど、誰も何もしなかったのです!」と説明している。
「とても感情的になってしまいました。女性は男性を全然知らないように見えました!混雑したコンサート会場で、場所の確保をめぐって起きた出来事でした!彼は全力で女性を殴ったんです!私は女性が再び殴られるのを防ごうとしたのですが、彼女は殴られなかった!助けを求めたけれど、誰も耳を貸してくれなかったんです!自分の母親やおばが暴力を振るわれているの見るような気分だった!!女性は50歳以上だったと思います!彼女が何ともないことを祈ります!」
リバーフロント音楽祭広報のアンドラス・マクドナルド氏は、「モニカの勇気と断固とした行動に心から感謝しています」とCBSへの声明で述べている。
「彼女の行動は、ファンの安全と尊重への献身を示したものであり、彼女が卓越した才能の持ち主であるだけではなく、素晴らしい人間だという私たちの考えをさらに強めました」
女性を殴ったとされる男性は、会場からの退出を求められたという。マクドナルド氏は、警察が今回の出来事を捜査しており、音楽祭の主催者も協力しているとも述べている。
モニカは4月にワシントンD.C.で開かれたコンサートでも、乱闘騒ぎを起こした観客に「落ち着いて」と呼びかけ、それでもおさまらないのを見て、争いごとは外でやるようにと促している。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。