あなたは落ち着いた色が好きだろうか?
人気カラーのベージュや、控えめなルックスを好む?
ブランドはその傾向を見逃していないようだ。
6月に発表された「Psychology and Marketing(心理学とマーケティング)」誌に掲載された研究によると、色やその彩度(純度や濃さ)は、私たちがその商品をどれだけ「エコ」で「環境にやさしい」と思うかに影響するという。
彩度が低い、つまり淡い色であればあるほど、私たちは無意識にその商品がより環境にやさしい(実際はそうでなくても)と考えるという。
研究では5つの実験的調査の結果、消費者は「色の彩度の低さ」と「環境にやさしい商品」を結びつけていると指摘する。
研究者はこの結果について、「こうした『エコ』の認識は、その商品のメーカーが『環境にやさしい』いう消費者からの信頼を高めます」と説明する。
この研究はグリーンウォッシュについて言及していないが、消費者がどのように色を認識するかについてのからくりは、グリーウォッシュ的な広告に役立っている。
グリーンウォッシュとは、ブランドや企業が、実態が伴っていないのにうわべだけ「環境に良い」と見せかけて商品やサービスを提供する行為を指す。
2021年にEUが行った調査によると、グリーンウォッシュはオンラインマーケティングで特に蔓延しており、環境意識の高い人々を引き込むため、多くのサイトが誇張した虚偽の主張を行なっている。
世界中で異常気象が観測され、気候危機がすぐそこまで迫っている中、環境に配慮した買い物をしたいと思わない人はいないだろう。
調査では、この結果によって「環境にやさしいという認識と信頼を築き上げることで、こうした色(淡い色)は消費者の行動意図にプラスに影響することが明らかになった」と述べる。
つまり、消費者はそうした商品を買い、さらに付加価値を支払う可能性が高くなるのだ。
2017年にユニリーバが5カ国の2万人を対象に行った市場調査によると、消費者の3分の1が、社会的または環境的に良いことをしていると思う企業から買い物をしているという。
淡い色の洋服を着ているだけだとしても、サステナブルであることはトレンドになっている。
フロリダ国際大学広告学のSigal Segev准教授は「エコであることはもはやステータスになっています。環境を意識した消費者であることは、自己意識を高めるのです」とBBCに語っている。
Segev氏は、エコであること(またはあろうとすること)は、消費者の買い物に対する罪悪感を和らげるのに役立つと述べ、「罪悪感を感じ始め、人々は『これは自分自身のためだけでなく、未来の世代に向けてできるせめてものことだ』と考えるのです」と説明した。
サステナビリティ・コンサルタントで『エシカル・ビジネス・ブック』の著者であるサラ・ダンカン氏は、環境を意識することは良心に役立つとBBC Futureに語っている。
「そうした主張は、私たちの過剰消費や消費主義への罪悪感を緩和してくれます。でも現実には、消費を減らすべきなのです」
この夏は淡い色の新商品を買うのではなく、代わりに中古品店に足を運んでみてはどうだろうか。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。