帝国データバンクは7月、唐揚げ店の倒産が2023年に過去最多になったと発表した。同年1〜6月までに9件が倒産しており、これまで最多だった2021年の6件を半年で上回った。
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負債1000万円以上の法的整理により倒産した例が対象。帝国データバンクは「唐揚げ店の多くは1~2店を展開する小規模な事業者で、水面下の廃業や閉店を含めれば、実際はより多くの唐揚げ店が淘汰されたとみられる」と分析している。
同社によると、唐揚げ店はコロナ禍で急拡大。外食を控える「中食」需要のなかで、手軽な持ち帰り総菜として人気を集めた。少ない店舗面積など初期投資が低いことなどから、数年で爆発的に店舗が増加した。
ただ、「外出制限が緩和されたことで持ち帰り需要も一服感が出てきた」(同社)。
その上、輸入鶏肉や食用油など原材料の価格が急騰。耐え切れずに経営破綻したケースが見られるようになったという。
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同社は唐揚げ店について「B級グルメゆえに『大幅値上げは難しい』といった声も聞かれ、経営の舵取りは次第に難しくなっている」と指摘。その上で「唐揚げ店は今後、淘汰が進む可能性がある」との見解を示した。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉