蚊の活動が活発になってくる時期です。
蚊は身近な害虫だけに「◯◯だから刺されやすい」というような話は数多くありますが、実際に刺されやすいタイプはあるのでしょうか。虫ケア用品最大手のアース製薬に、“蚊の好み“について教えていただきました。
蚊が好む服の色は?
服装について、蚊の好みの色があるというのは本当でしょうか。
「蚊は人間のように色を認識することはできませんが、黒い色には寄ってきやすいという傾向があります。白いTシャツと黒いTシャツなら、黒の方が刺されやすいのです。
ところが白黒のボーダー柄だと、黒色よりも刺されやすくなります。蚊は、明暗のコントラストは識別するので、コントラストの強い服は刺されやすいようです」
蚊に刺されないためには、白っぽい明るい単色の服を着ることをオススメします。薄着ではどうでしょうか。
「蚊は人の体温や呼気に含まれる炭酸ガス(二酸化炭素)、汗などに含まれるにおい、皮膚の水分、体の動きなどから、ターゲットとなる吸血源を探しています。
よく、蚊が顔の近くに寄ってくることがありますが、この習性によるためです」
お酒を飲んだ人、子どもは刺されやすい?
「お酒を飲むと刺されやすい」「子どもは狙われやすい」などもよく聞きます。
「お酒を飲んだ後は呼吸が荒くなったり、体温が高くなることが原因と考えられます。蚊にとって感知しやすくなるわけです。
子どもも、この特徴に当てはまりますね。同じように、体温の高い妊婦さんや汗っかきの人もターゲットになりやすいといえます」
血液型で違いはあるか?
「私はO型だから刺されやすい」と被害を訴える人もいますが、これはどうでしょうか。
「これまでの研究により、O>B>AB>Aという順番に刺されやすい傾向があることは示されていますが、科学的根拠はありません。
蚊は決して血液型物質を察知しているわけではなく、体温、炭酸ガス、皮膚の水分、体の動きなどを総合的に判断しているとされており、単純なものではありません」
蚊に狙われる場所や時間
生活スタイルによっても、刺されやすさは変わるようです。
「日本で人が刺されることの多いヒトスジシマカの幼虫は、バケツや空き缶・空き瓶、側溝の水などちょっとした水たまりがあれば成育し、成虫になると雑草が生い茂る場所を好みます。
庭や公園、墓地、雑木林などに潜んで、近づいてきた人や動物を狙って吸血します。キャンプやアウトドアスポーツ、花火大会、ガーデニングなど、人が屋外活動をする場所で、私たちを狙ってきます。
ヒトスジシマカは昼間中心に活動し、よく吸血する時間帯は朝夕です。特に夕方4~6時がいちばん多く刺してきます。また夜間でも灯火の下の明るいところで吸血することもあります」
蚊に刺されると、かゆみや腫れが不快なだけではありません。
「蚊は、マラリアやデング熱などの感染症を媒介し、世界中で非常に多くの人を死に至らしめている生物です。肌の露出が増える夏や外出時は、虫よけ剤を活用して蚊に刺されないようにしましょう。
蚊に効くのは、『医薬品』や『防除用医薬部外品』の表示があり、効能や適用害虫に『蚊』と記載された商品です。
注意していただきたいのは一般的な虫よけ剤の有効成分『ディート』『イカリジン』は、蚊が人を感知できなくする忌避剤であることです。蚊を殺すわけではありません。
そのため塗っていない部分は刺されてしまいます。露出する肌にしっかりスプレーしてまんべんなく塗り広げることが大切です。顔や首にスプレーする際は、まず手のひらにスプレーして、それを目の周りを避け、顔や首に塗ってください」
蚊に刺されないようにするには、蚊の習性を知った上で適切な対策を取ることをおすすめします。
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