アメリカ・ミシガン州で2人の少年が、プールで溺れていた7歳の男児を救う出来事があった。当時、一体なにがあったのだろうか。
現地時間の7月7日午前、ノア・ロシュさん(12歳)と弟のウェストン・ウッズさん(8歳)は、アパートのプールにいたところ、7歳のグリフィン・エマーソンさんが水中にいることに気づいた。
グリフィンさんは当初浮き輪をつけて遊んでいたが、その後浮き輪を外し、水深の深いほうに向かって行く様子が監視カメラに映っていた。
映像にはその後、グリフィンさんが水面から頭を出そうともがく様子が捉えられていた。
Good Morning Americaによると、グリフィンさんの周りにいた人たちは異変に気づかなかったようで、彼がプールの底に沈んだまま約1分が経過していたという。
ウェストンさんはプールに飛び込み、手を伸ばしてグリフィンさんを水面まで引き上げた。そして、近くにいた大人が助けにやってきて、グリフィンさんは無事救出された。
幼い命を救出した少年らの母親のシリース・ロシュさんは911に通報し、グリフィンさんが呼吸していないことや、顔が青くなっていることなど状況をオペレーターに伝えた。
また、シリースさんは「グリフィンくんの母親は彼の元に駆け寄り、すぐに心肺蘇生法を始めた」と話した。
監視カメラには、再び呼吸を始めてプールの水を吐き出すグリフィンさんの背中をさすっている母親の姿があった。
グリフィンさんは、プールの深い方へ向かったことについて「泳げるってことを証明したかった」と振り返り、「溺れるのではないかと怖かった」とインタビューで語った。幸いにも、現在は完全に回復しているという。
「ヒーローの多くはマントを着ていない」
ノアさんは、当時の状況をABC Newsにこう話している。
「彼がプールの底にいるのを見つけたけど、ただそこで遊んでいるのか、それとも何なのかは分からなかった。だからウッズに、中に飛び込んで、大丈夫かどうか確認するように言ったんだ」
これに対し、弟のウェストンさんは「彼の頭は上がったり下がったりしていた。大丈夫ではないと分かった」と付け加えた。
ABC Newsによると、同州ジェネシー郡の保安官事務所は2人の少年を表彰。式典で、少年たちやグリフィンさん、救急隊員らが再会した。
クリストファー・R・スワンソン保安官は、「あれほど早く自力で呼吸させることができたのは、(救助活動の)最善の結果です」と舌を巻いた。
また、グリフィンさんの祖父は、2人の若い英雄に「彼らはグリフィンを救ってくれた。ヒーローの多くはマントをつけていません。彼らはそのうちの2人です」と、感謝を伝えたという。
SNSでは、命を救った少年2人に「英雄的な行動」「よくやった!」との称賛の声が広がった。
一方で、「泳ぎ方を知らないなら、子どもをプールに入れないで」「水泳のレッスンは必須」「子どもから目を離さないで」などの声も多く寄せられている。