ペット向けの保険会社が犬や猫にかかわる異物の誤飲をめぐる診療費の保険金が請求されたデータを分析したところ、犬はチョコレート、猫はひもの誤飲が最多だったことがわかった。
ペット向けの保険「PS保険」を提供するペットメディカルサポート(東京都港区)が、2022年4月1日~2023年3月31日に誤飲にかかわる診療費の保険金の請求を受けたケースについて集計し、発表した。犬は2462件、猫は341件のデータが対象となった。
犬の誤飲で最も多いのは、チョコレートだった。
同社によると、チョコレートには中毒症状を誘発するリスクがある。軽度の症状では嘔吐や下痢を引き起こすほか、深刻化すると震えやけいれんが現れて死に至る場合もあるという。
チョコレートのほか、薬や玉ねぎといった中毒症状を起こすリスクのある食べものも、誤飲されることが多かった。
大型犬では、石の誤飲が最多だった。ボール、マスク、靴下が続いた。
猫は身の回りにある生活用品を誤飲するケースが目立った。ひもの誤飲が最も多く、次いでおもちゃ、ゴム、針の順に多かった。
同社は「愛猫の行動範囲にはこれらのものをなるべく放置しないようにし、日ごろから部屋の片づけや整理整頓を心がけることがリスク予防につながる」と注意喚起している。
同社は「飼い主がどんなに気を付けていても、ペットが中毒症状を起こすリスクのある食べものを口にしてしまったり、自宅や散歩コースで落ちている異物を飲み込んでしまったりというケースは起こってしまうもの」と指摘。
その上で、「ペットの異変に気付いた段階ですぐに獣医師に相談することをおすすめする」と述べた。
誤飲をめぐっては、動物病院での検査や治療に「数万円から十数万円かかることもある」としている。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉