バブル崩壊後類を見ない値上げを記録した2022年の、さらに1.5~2倍のペースで食品の値上げ品目数が増えているーー。そんな衝撃的な価格動向が明らかになった。
今年の食品値上げは前年越え
今年の値上げ品目数は、半年ですでに昨年1年間の113%となっており、単純計算でいえば、昨年の1.5〜2倍のペースで値上げ品目が増えている計算になる。
2022年はロシアのウクライナ侵攻をきっかけとする原材料やエネルギー価格などの高騰を背景に、値上げがいたるところで行われた年だった。
今年はさらにハイペースで、6月30日までに分かっているものだけで、飲食料品の値上げが、2万9106品目にのぼった。
また、調査対象195社のうち、9割を超える企業が前年から1回以上の値上げを行ったほか、2023年だけでも約8割の企業で値上げをすでに実施、または予定している。
7月は「パン」 が1500品目超一斉値上げ。年間では4食品分野で前年を上回る
2023年7月の値上げは、「パン」が全食品分野で最多の1578品目を記録した。そのほか「加工食品」(836品目)はパックごはんやレトルトカレーなどが値上げを予定されており、「調味料」(619品目)ではめんつゆ製品やスパイス製品、「菓子」(242品目)はチョコレート菓子や焼き菓子、ポテトチップス関連製品を中心に値上げとなる。
今年はこれまでに、「加工食品」「調味料」「酒類・飲料」「パン」の計4分野で、値上げ品目数が前年を上回った。
最も品目数が多い「加工食品」(10823品目)は、食品全分野で唯一、値上げが1万品目を超えた。現時点で前年とほぼ同水準に並んでいる「乳製品」(1175品目)も、今後の乳価引き上げの影響により、前年の品目数を上回る可能性もあるという。
年内の値上げ予定は?値下げや価格据え置きも
2023年の値上げは、電気代や人件費、物流費の負担をうけ、引き続き高水準のペースで推移する予想だ。値上げラッシュのピークは10月で、一旦は沈静化する見通し。年間累計は3万5000品前後を記録するとしている。
一方、消費者の「値上げ疲れ」による売れ行きの伸び悩みを背景に、「値上げの勢いは前年ほどの力強さがみられない」と同社は分析した。