1997年の映画『タイタニック』への出演で知られる俳優のルー・パルターさんが、肺がんで5月21日に亡くなっていたことがわかった。享年94歳。パルターさんの娘が、The Hollywood Reporterの取材で明かした。
パルターさんは『タイタニック』で、アメリカの有名百貨店「メイシーズ」の共同経営者であるイシドール・ストラウスさん役を演じた。タイタニック号が沈没する中、ベッドの上で妻のアイダさん(俳優エルザ・レイヴンさんが演じた)を抱きしめる、作品の中でも象徴的なシーンに出演した。
パルターさんの死去は、同映画の題材となった実在のタイタニック号を見学する探索ツアーをしていた潜水艇「タイタン」の事故の直後に明らかになった。
パルターさんが演じたイシドール・ストラウスさんは、1912年のタイタニック号沈没で亡くなった実在の人物。タイタンを操縦していたオーシャン・ゲート社最高経営責任者のストックトン・ラッシュさんの妻のウェンディーさんは、イシドールさんのやしゃご(ひ孫の子ども)にあたる。
パルターさんは、 1928年11月3日生まれ。『タイタニック』の他には、映画『First Monday in October』や『刑事コロンボ』シリーズなどにも出演した。
俳優業に加え、2013年に引退するまでの42年間、カリフォルニア芸術大学で演技の教師や監督、指導者を務めていた。同大学の演劇学部長のトラヴィス・プレストンさんは、パルターさんの訃報を受け、こうコメントした。
「ルーは演技を愛し、生徒たちにも同じように演技を教えました」
「すべてのシーン、芝居、授業において、深い好奇心と気遣い、知性やユーモアを育みました。彼は生徒たちに最大限の敬意を払い、仕事と人生の中で真実を見出すことができるよう励まし続けました」
「舞台と映画における彼のキャリアは素晴らしいもので、生涯にわたり演劇を学び続けました。私は常に、彼は率直で思慮深く、誠実な人だと感じてきました」
「彼が残したものは、彼が出会った人たちのキャリアや人生、そして物語の中に受け継がれており、私たち大学関係者は、彼の家族や友人、そして彼を愛した演劇のコミュニティと心を共にします」
※この記事はハフポストUSを翻訳しています。
【訂正 2023/06/28 17:30】
記事中に登場するウェンディー・ラッシュさんに関し、当初「タイタンの事故で亡くなった」と記述していましたが、運営会社のオーシャンゲート・エクスペディションズが発表した、犠牲者の5人には含まれていませんでした。お詫びして訂正いたします。