「難民のための支援を何もしていない人や、難民を受け入れる理由がわからない人の割合が最も高いのは日本」
同社は4〜5月、難民についての考えや行動を調べるアンケートをインターネット上で実施。世界29カ国の2万1816人から回答を得た。日本では、16歳~74歳の1001人が答えた。
難民支援として「過去12ヶ月間に行ったこと」を尋ねたところ、「何も行動していない」と回答した人の割合は、日本では93.1%を占めた。29カ国のうちで、最も高かった。
2番目に高い韓国では80.3%だった。日本と比べて10ポイント以上も低く、水をあけられた。
日本では「何も行動していない」の次に多い回答は「難民救済活動の支援のために資金や物品の寄付」で、3.8%だった。
こうした結果について、イプソスは「他国に比べて、日本人の難民支援に対する関心の低さがうかがえる」と指摘している。
「国が難民を受け入れる最も重要な理由」について考えを聞いたところ、「人道上の義務」(37.0%)、「わからない」(21.1%)、「国際法に基づく法的義務」(15.2%)、「必要な技能を難民に与えることで、経済を活性化させる」(13.1%)の順に高かった。
「わからない」と答えた人の割合は、29カ国の中で最も高かった。イプソスは「難民に対する知識、関心の薄さが垣間見られた」と分析している。
難民が自国で受けている待遇の評価や、難民申請者を入管施設などに収容することへの賛否についても、「わからない」と答えた人の割合は日本が最多だった。
イプソスは「日本の難民に対する意識や理解は他国と比べて低く、多くの人々が、難民に関する正確な情報を持っていないことが、今回の調査で明らかになった」と強調。
日本では6月、難民申請が3回目以降の場合、「難民認定すべき相当の理由」を示さなければ送還を可能とすることなどを盛り込んだ入管法の改定案が成立した。
同社は調査結果を踏まえ、「(成立した)入管法の改定案は、国民の正しい理解のもとで議論がなされたとは考えにくい」との認識を示した。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉