ジャニーズ事務所は5月26日、社外取締役に2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表のヘッドコーチを務めた北海道医療大学客員教授の白井一幸氏ら3人が内定したと発表した。就任は7月1日付。
創業者ジャニー喜多川氏(2019年死去)による元所属タレントらへの性加害疑惑を受け、ガバナンスの強化などを行うという。同社の藤島ジュリー景子社長は5月14日、「世の中を大きくお騒がせしておりますこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪を発表していた。
社外取の就任に加え、外部専門家によるガバナンスについて助言するチームや、所属経験のあるタレントへの心のケアにあたる相談窓口を設置すると発表した。
社外取には白井氏のほか、元環境事務次官で日本製薬顧問の中井徳太郎氏、弁護士の藤井麻莉氏が就任する見込み。同社は社外取とともに「再発防止策の確実な遂行を含めた、経営改革を推進致します」と表明した。
喜多川氏をめぐる問題については、「弊社におけるガバナンス上の課題を浮き彫りにしたものであると考えております」との認識を示した。その上で、「現在社内では、ガバナンス改善に向けた対応・準備を急速に進めております」と説明。
外部専門家によるチームをつくり、「ガバナンスをはじめとした社内の事実関係を確認の上で、再発防止に向けた弊社への提言を行います」と述べた。
チームは元検事総長の林眞琴氏、精神科医の飛鳥井望氏、臨床心理の研究者の女性の3人で構成。同社は「3名のメンバー全てが、弊社とはこれまで関係を有しておりません」とした上で、「独立性・公正性を確保しつつ、弊社のガバナンス上の問題点の把握及び再発防止策の策定・提言を行っていただきます」と説明した。
公認心理士らによって所属経験のあるタレントへの個別の対応にあたる「心のケア相談窓口」を5月31日に設置する。心療内科医で元環境大臣の鴨下一郎氏が監修する。
◆ジャニーズ事務所の声明
ジャニー喜多川による問題について、大変なご心配と大きなご不安を与えてしまっておりますこと改めて深くお詫び申し上げます。
弊社には現在に至るまで多くのタレントが所属しており、今回の問題については、声を上げられたかどうかに関わらず、所属経験のあるすべてのタレントへの心のケアが最重要と考えております。そこで、専門家に監修をいただき、心療内科医に委嘱して、本問題によって心を痛めたジャニーズ事務所の所属経験者を対象にした外部機関としての相談窓口を5月31日に開設します。この窓口では完全にプライバシーに配慮した形で心療内科医・公認心理師がご相談者それぞれの心の問題に対応し、できる限りのケアを行います。
また今回の問題は、弊社におけるガバナンス上の課題を浮き彫りにしたものであると考えております。現在社内では、ガバナンス改善に向けた対応・準備を急速に進めておりますが、複数の識者の目を入れて、弊社の問題点をしっかりと受け止める必要があり、それなくして未来への道はないと考えております。このような背景から今回、下記の3名の専門家によって「外部専門家による再発防止特別チーム」を組成。このチームはガバナンスをはじめとした社内の事実関係を確認の上で、再発防止に向けた弊社への提言を行います。
さらに3名の「社外取締役」に就任頂き、特別チームによる提言を受けた再発防止策の確実な遂行を含めた、経営改革を推進致します。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉