アメリカ・フロリダ州で、道路を走行中の女性が産気づき、助けに駆けつけた保安官代理が車内で出産を手伝ったことが話題になっている。その奇跡の瞬間が、保安官代理のボディカメラに収められており、ネット上では「ヒーローです!」と称賛の声が上がっている。
NBC4ワシントンによると、このうれしい出来事があったはプラントシティの道路の路肩だ。臨月の女性が夫と車で走行中に赤ちゃんが産まれそうになり、夫は車を止めて助けを求めに走った。そこで出くわしたのが別の事案の対応で近くにいた保安官代理のダニエル・レッド・ジョーンズさんだった。
ジョーンズさんは差し迫った状況を把握し、消防隊員に出動を要請しつつ、ゴム手袋をはめて女性が乗っている車に向かった。
ジョーンズさんのみぞおちあたりに設置されたボディーカメラが、車内で今にも赤ちゃんが産まれそうになっている女性を映し出す。ジョーンズさんは女性の手を握りながら「深呼吸して」と励まし続ける。「初めての出産ですか」と聞くと、女性は「ノー」。「何人目?」との質問に返ってきた答えは「6人目です」で、その場には驚きの笑い声が広がった。
その後も、ジョーンズさんは女性に「今の体勢が楽そうだから勝手に動かさないから安心して。痛いだろうけど、深呼吸して」と声をかけ続ける。
ジョーンズさんの励ましに、女性は力を振り絞って、無事に赤ちゃんを出産した。生まれたての赤ちゃんは車内で元気な産声を上げた。
“ヒーロー”となったジョーンズさんは勤続21年のベテランだ。
FOX13タンパベイの取材に対し、彼は「生きていて純粋なものに出くわすことはほとんどないが、今回の出来事はまさにそれだ」と語っている。
ネット上では、「なんて思いやりのある人なんだ…素晴らしい仕事です!」「ヒーローです!」「路上で安全に赤ちゃんを産むのを手伝うなんてすごい」などとコメントが寄せられている。
驚くことに、ジョーンズさんは市民の出産に立ち会うのはこれで3回目だという。彼は赤ちゃんに、自分と同じ「レッド」という名前を提案したそうだ。