※2024年上半期にハフポスト日本版で反響の大きかった記事をご紹介しています。(初出:5月31日)
自転車に乗る際のルール、ちゃんと守れていますか?無灯火、傘さし、信号無視……。街を歩いていると、よく見かけますよね。
ハフポスト日本版の記者も先日、保育園に通う子どもと夜道を歩いている時、前から猛スピードで走ってきた無灯火の自転車と危うく衝突しそうになりました。
無灯火の場合、歩行者が早い段階で自転車の存在に気づくのは難しく、小さな子どもと歩いていたため、もしぶつかっていたらと思うと背筋が凍りました。
自転車は、道路交通法で軽車両に位置付けられており、「車のなかま」です。つまり、「危険な運転」をした場合は懲役や罰金などの罰則もあります。詳しくまとめました。
逆走、歩道でベル → 罰則は?
政府広報オンラインによると、自転車は原則、車道の左側を通行しなければなりません。
これは、道交法で自転車は車両と位置付けられているためで、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行する必要があります。
右側通行は禁止されています。左側を通行しているほかの自転車やバイクと衝突する恐れもあるため、絶対に「逆走」をしてはなりません。
これらに違反した場合、罰則は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」です。
なお、道路標識で指定された場合など、普通自転車に限っては例外として歩道を通行できます。
しかし、例外が適用されない歩道は「歩行者優先」です。自転車のベルを鳴らして歩行者に道をあけさせたり、スピードを落とさずに歩行者を追い越したりするのはルール違反で、「2万円以下の罰金又は科料」となることがあります。
一時停止無視、無灯火 → 罰則は?
信号を守らなかった場合、「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」などです。
また、「止まれ」の標識があるにもかかわらず、一時停止しない場合は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」などになります。
そして、夜間に自転車で走行する時は、前照灯と尾灯(または反射器材)をつけなければなりません。
ライトをつけるのは、前方や後方から来る自動車やバイク、歩行者に自分の存在を目立たせるためです。ライトをつけていない場合、相手から発見されにくく大変危険です。
これに違反した場合、「5万円以下の罰金」となります。
飲酒運転も絶対にやめましょう。運転者だけでなく、酒気を帯びて自転車を運転する可能性がある人に自転車を提供したり、酒を提供したりしてもいけません。
違反すると、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」などになります。
スマホ見ながら、傘さし、並走 → 罰則は?
よく見かけるのは、スマホや携帯電話を操作しながらの運転です。周囲の安全を確認できないため、歩行者にぶつかってけがをさせる恐れがあります。
違反した場合、「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」などになります。
傘差し運転も「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」など。二人乗りも原則禁止で、違反すると「5万円以下の罰金」などです。なお、子どもを幼児用座席に乗せるなどの場合は例外です。
さらに、「並進可」の標識がある道以外で並んで走ると、「2万円以下の罰金または科料」となります。
このほか、道交法では自転車を運転しながらイヤホンを使用することを直接禁止する規定はありませんが、多くの都道府県の規則でイヤホン使用を禁止することが定められています。
また、2023年4月1日からは全ての自転車利用者に対し、乗車用ヘルメットの着用が努力義務となっています。
19年から23年に起きた自転車乗用中の事故で、ヘルメット着用状況別の致死率を比較したところ、非着用時の致死率は着用時に比べて約1.9倍も高くなりました。
頭部が致命傷となった人の割合は約5割で、命を守るためにもヘルメットの着用は重要です。
なお、警察庁によると、23年中の「自転車関連事故」の件数は7万2339件と、前年比で2,354件増加しました。
また、 同年中の自転車乗用中の死傷者は7万301人で、そのうち13歳未満が5305人となっています。
自転車の死亡・重傷事故の相手当事者は、約76%が自動車で、自転車と自動車の事故のうち、出会い頭衝突による事故が約55%と最多です。
なお、このような事故では自転車側にも安全不確認や一時不停止等の違反が多く見受けられるそうです。