愛知県は2023年度の2学期以降、県内の公立校に通う児童生徒が平日に年間3日まで学校を休める「ラーケーションの日」という制度を、全国で初めて導入する。保護者の休みにあわせ、子どもが学校を休める仕組みだ。
「ラーケーション」は、「ラーニング」(学習)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語。家庭や地域で校外で自主的に学習活動をしていると位置付けることで、登校しなくても欠席扱いにしない。
保護者がメールなどで学校に届け出ることで取得できる。子どもは家庭や地域で取り組む活動を保護者らと自ら企画し、実行する。
「ラーケーションの日」に受けられなかった授業の学習内容は、家庭で教科書などを用いて自習することも求められる。
インターネット広告会社のインタースペース(東京都新宿区)がネット上で、「『ラーケーションの日』が全国でも導入されるとしたら、活用したいと考えるか」を約2000人の母親に尋ねたところ、79.8%が「活用したい」と答えた。
接客業や医療機関などで働く人からは「シフト制の仕事で土日に休みづらいから、平日に旅行したい」などの声が上がったという。4人の子どもがいるという人からは「(子どもの)それぞれに“ひとりっ子タイム”をつくってあげたい。 ゆっくり(子どもの)話を聞く時間がほしい」との意見も寄せられた。
「活用したいと思わない」との回答は12.4%を占めた。「授業に遅れると、結局は子どもが苦労するだけ」「休んだ分、勉強が遅れてしまいそうで不安」など、学習の遅れを懸念する声が最も多かったという。「(学校を)1日休んだだけで授業に追いつけず、成績がかなり下がったことがある」と苦い経験をしたことのある保護者もいたそうだ。
同社は「(愛知県で制度が)実際に始まってから、利用率や利用者の声を拾いつつ、その成果を見定めていくことになりそうだ」とコメントしている。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉