待ちに待った大型連休です。日頃の疲れを取るためにも、連休中はいつもよりもたくさん寝て過ごしたいという人もいるのではないでしょうか。
ウェザーニュースでは「休みの日に、寝溜めしますか?」というアンケート調査を実施したところ、10代を除けば全体的に若い世代ほど寝溜めをする傾向があることがわかりました。
特に、「3時間以上寝溜めする」という回答は30代で5人に1人、20代で4人に1人の割合に上ります。
確かに休みの日ぐらいたくさん寝たい、という気分になることもありますが、「連休中の睡眠の取り方には注意したい」とウェザーニュース気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生は忠告します。理由を詳しく教えていただきましょう。
寝溜め、夜ふかしが招くもの
せっかくの大型連休、思い切り好きなように過ごし方をしたいかもしれません。でも、少し注意した方がよいことがありそうです。
「過ごし方いかんによっては、休み明けに体調を崩したり、気分の落ち込みにつながることがあるのです」(佐藤先生)
確かに、大型連休明けに調子を崩したという話はよく聞きます。
「人の体には、体温や血圧、ホルモン分泌など体内環境を昼夜に合わせて変化させる『体内時計』が備わっています。ただ体内時計は24時間よりも長く、日の光の刺激などにより毎日リセットする必要があります。体内時計は狂いやすいものなのです。
季節の変わり目である春は、人の体が寒さに合わせた冬モードから、暑さに適応する夏モードへと切り替わる時期です。さらに進学や異動などによる環境の変化やストレスも加わり、気付かぬうちに身体への負担となっているものです。
そこへ、大型連休中に寝過ぎたり、夜更かしをしてしまうと体内時計を狂わせ、自律神経が乱れることになってしまいます。逆にリフレッシュのつもりで旅行などにでかけ、過密スケジュールになるのもよくありません。
連休明けに体がだるくなったり、集中できない、やる気が出ないといった身体的不調を招く恐れがあります。
これはちょうど時差ぼけのようですが、睡眠相後退症候群(すいみんそうこうたいしょうこうぐん)とも呼ばれる体内時計をリセットできなくなっている状態です。体のリズムが活動したい時間からどんどんずれてしまいます。
人によっては頭痛やめまいのような症状が出たり、気持ちが落ち込んで登校・出社できない五月病へつながることもあるのです」(佐藤先生)
5月病を招くかも!? 注意したい睡眠の取り方
こうした不調を防ぐために睡眠の取り方には注意が必要です。連休中のよくない眠り方とは、どのようなものでしょうか。
「注意したいのは、なるべくいつもの睡眠のリズムを崩さないことです。
いつもより3時間以上遅く起きるのはやめましょう。せっかくの機会なのでしっかり身体を休ませたいというときは、少し早めの就寝を。寝溜めのつもりで長時間寝過ぎるのもよくありません。
体力に自信があっても夜ふかしや過密スケジュールでの寝不足は、のちのち響いてきます。睡眠の質を落とさないためにも、就寝時間近くに食事をしたり、スマホやPCを使うのはやめましょう」(佐藤先生)
連休明けから忙しくなりそうな人は、どうすればいいのでしょうか。
「これも特別なことはありません。いつもより遅い起床時間にしないほか、日中はほどほどに活動し、できれば早寝・早起きを心がけましょう。
身体と心を休めるためには、ぐっすり心地よく眠ることが大切です。食事や入浴などは早めにすませて寝る準備を。起床後は朝日を浴びると体内時計がリセットされ、よく眠るのに役立ちます。
旅行など計画がある場合は、連休最終日は家で休んで調整できるようにするといいでしょう」(佐藤先生)
休み明けに元気よく動き出すためにも、ちょっとした心遣いが大切なようです。
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