#中絶薬が10万円はありえない 見込み価格への反発広がる「選択肢増えたと思ったのに」

国内でも初めて正式承認される見通しとなった経口中絶薬。その価格をめぐってSNSで反発の声が上がっている。
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Oscar Wong via Getty Images

国内でも初めて正式承認される見通しとなった経口中絶薬。承認されれば女性の選択肢が広がることになるが、その価格をめぐってSNSで「#中絶薬が10万円はありえない」が広がり、反発の声が上がっている。

「選択肢がせっかく増えたと思ったのに」

時事通信ニュースによると、厚生労働省は4月21日、薬事・食品衛生審議会の薬事分科会を開き、英製薬会社ラインファーマが開発した人工妊娠中絶薬「メフィーゴパック」の薬事承認を了承。5月にも正式承認される見通しという。

メフィーゴパックは妊娠9週0日以下の妊婦が対象で、中絶が確認されるまで院内待機するなど厳しい管理が必須となっている。現在国内では妊娠初期の人工妊娠中絶は手術しか選べないため、選択肢が広がることになる。

今回反発の声が上がっているのは、10万円程度になると見込まれる価格だ。

中絶は原則として健康保険は使えない自由診療のため、価格は各医療機関が決める。NHKによると、日本産婦人科医会は「薬の価格はおよそ5万円とみられ、診察料などと合わせると、10万円程度になることが予想される」としている。

公費負担の制度はないため、全額患者側の負担になる。手術も10万円はかかるため、経口中絶薬が利用できるようになっても金銭的な負担感は大きく変わらないことになる。

そのため、この報道を受けて Twitterでは「#中絶薬が10万円はありえない」が広がり、「もっと必要な人の手に確実に届くようにしてください」「選択肢がせっかく増えたと思ったのに、10万円なんてありえない」「10万自分で用意できる人、どんだけいるのかな?」「公費負担にして」などと反発する声が上がっている。

経口中絶薬については、これまでも専門家らでつくる複数の団体が費用を含めた管理・運用について懸念を示し、厚労省に要望書を提出。当事者がアクセスしやすい費用や管理・運用を求めたほか、日本で見込まれる自己負担額10万円は、国際的な水準と大きく差があると指摘していた。

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