知ってる?冬物コートの収納で虫食いやシミから防ぐ5つのポイント

気温も上がって、冬物のコートもそろそろシーズンオフ。どんな手入れをして、どのように収納すればいいのか、まとめてみました。
虫食いやシミを防ぐ!冬物コートをしまう時に注意したい5つのポイント
虫食いやシミを防ぐ!冬物コートをしまう時に注意したい5つのポイント
ウェザーニュース

4月も下旬となり、春らしく暖かい日々が続くようになりました。冬物のコートもそろそろシーズンオフを迎えています。寒さを防ぐのに役立ってくれたコートですが、しまおうとすると生地の厚さでスペースがかさんで収納場所に困ったりする場合も少なくありません。

さらに、前のシーズンの保管や手入れ方法が正しくなかったために、いざ着ようと思った時に虫に食われていたり、シミができていたり、毛玉が付いていたりといったケースがあります。

シーズンオフを迎えたコートはどんな手入れをして、どのように収納すればいいのか。適切な方法と注意点について、クリーニング店の上手な利用法を消費者に伝えるNPO法人クリーニング・カスタマーズサポート(福島県須賀川市)の鈴木和幸代表に伺いました。

(1)クリーニングに出す前のお手入れ

冬物のコートにはウールやカシミヤなどの素材が多いのですが、収納前に注意しておくべきポイントはありますか。

「ウールは羊毛、カシミヤはカシミヤヤギの毛を素材とする『天然繊維』で、保温性に優れ柔らかいことから冬物のコートに好んで用いられます。

その半面、天然繊維は虫に食われやすいうえに毛玉ができやすく、さらに水分を含むと縮みやすいという性質をもっています。

特にメリノ種の羊毛が素材のメリノウールやカシミヤは高価なものですから、汚れやシミが付いていたらクリーニングに出すことは必須と言えますが、その前にお手入れを施しておくこともおすすめします。

まず、コートをハンガーに吊るし、全体にブラシをかけてホコリと汚れを落とします。毛足が柔らかい馬毛のブラシが、生地を傷めにくいのでおすすめです。ホコリや汚れが落ちると生地が『呼吸』しやすくなり、毛並みも整います。

襟や袖口、裏地に汚れが付いていたら、濡らしたタオルを硬く絞って、こすらず“ポンポン”と叩くイメージで拭き取ってください。

もし、生地が水分を含んでいるようなら陰干ししてからクリーニングに出してください。ポケットなどに物が入っていないかの事前チェックも忘れずに。

また、クリーニングから返ってきたとき、シミや汚れが落ちているか確認しましょう」(鈴木代表)

(2)クローゼットなど紫外線の当たらない場所で保管

クリーニングから戻ったコートは、どこに収納するのがいいでしょうか?

「ホコリが付かないよう、クローゼットに収納するのがベストです。クローゼットがなかったり数が多かったりして収納するのが難しければ、壁にコートが掛けられるフックを取り付けるといいでしょう。

ただし、日光や蛍光灯に含まれる紫外線は衣類にとって大敵で、色あせの原因になります。なるべく光の当たらない場所で保管してください。

また、保管場所に湿気が多ければ台無しです。除湿剤を置くなどして、湿気の除去に務めてください。そのうえで、ときどきシミができていないかなどをチェックし、風通しのいい場所に陰干しして湿気を飛ばすようにしてください」(鈴木代表)

(3)適度な余裕を持ってハンガーに吊るす

クローゼット内なら、コートをたたんで保管しても大丈夫ですか。

「たたんで収納するとシワができやすいので、ハンガーに吊るしてください。近頃はクリーニング店でも厚みのあるプラスチックタイプが増えていますが、コートは重量があるので、衣類の肩幅に合わせたより厚みのある木製のハンガーに付け替えて保管したほうがいいでしょう。

そうすることで通気性がよくなって防臭効果も高まり、型崩れもしにくくなります。

また、すでに吊るしてあるコートの間に、無理に押し込むことは避けてください。型崩れや痛みを防ぐためには適度な余裕をもたせて保管することも、ポイントのひとつです」(鈴木代表)

(4)クリーニングのビニール袋は外す

クリーニングの後はビニール袋を被せて戻ってきますが、そのままでいいのでしょうか。

「コートのように次のシーズンまで使わずに半年近くもそのまま保管しておくような衣類は、必ずビニール袋を外してください。ビニール袋は通気性がないため、下部が開いていても衣類周辺の空気が循環せず、湿気が溜まりやすくなります。

湿気はカビの発生や虫食いの原因にもなりますので、ビニール袋を被せたまま保管すると、コートにダメージを与えてしまう可能性があるのです。

ホコリがどうしても気になるという方は、不織布製のカバーなら通気性があるので湿気が付きにくく、被せておいてもいいでしょう。

礼服などの高級品は、カビの予防や防虫効果のある不織布製のカバーを店側で被せている場合もありますが、市販もされています」(鈴木代表)

(5)防虫剤の置き場所にも注意

防虫剤も間違った使い方をすると、十分な効果が得られないので注意が必要です。

「防虫剤メーカーによると、防虫剤の成分は空気より重いので上から下に広がるそうです。クローゼットの場合は『吊り下げるタイプ』を、1つのときはパイプの真ん中に、複数のときは等間隔にかけると効果的です。

端に寄せたり1ヵ所にまとめたりすると、防虫成分がクローゼット全体に行き渡らない可能性があるようです。

ウォークインクローゼットなど、密閉性の低いオープン空間では、防虫成分が空気中に蒸散する『揮発性』と呼ばれるタイプよりも、カバータイプやシートタイプの揮発性でない成分を使用している防虫剤がおすすめだそうです」(鈴木代表)

ひとシーズン“お世話になった”冬物コート。次のシーズンも暖かで気持ちよく着られるように丁寧なお手入れをして、しまっておきたいですね。

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