イギリス北東部の街ダラムで、警察も「逮捕が難しい事件ではなかった」と皮肉る間抜けな強盗未遂事件が起きた。
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ダラム警察が6月15日発表した。発表によると、事件が起きたのは5月。マルコム・トリンブル容疑者(30)が袖の中にキッチンナイフを隠しもち、食品や酒類を扱う店に入った。ビール4缶パックを手にレジの前に立ったところで、カウンターの向かいの店主にナイフをちらつかせて脅した。
だが、店主が一枚上手だった。店主と男の攻防から、思わぬ方法で自ら捉えられてしまうまでが収められた動画をダラム警察が公開した。
店主はとっさにカウンター裏から入り口に向かって逃げ出し、内開きのドアを外から引っ張って男を店内に閉じ込めようとする。なんとか逃げ出したい男も渾身の力をこめてドアを引っ張って開けようとする。店主はドアの外側に設置されたシャッターを作動させる。
男はシャッターが3分の2ほど降りたところで、ドアの引っ張り合いに勝った。降り続けるシャッターに滑り込んで逃げようとするが、失敗におわる。上半身がまだ店内に残った状態でシャッターと地面に体が挟まれてしまったのだ。
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どうにも身動きが取れないことを悟った男は、まるで最後の自由を満喫するかのように持ち逃げしようとしていたビールに手を伸ばして、飲み始めた。
警察は通報から3分後に現場に到着し、シャッターを上げて容疑者を逮捕した。
トリンブル容疑者は6月14日、強盗未遂とナイフ所持の罪で懲役3年4カ月の判決を受けた。
ダラム警察のポール・モーソン巡査部長は「逮捕が難しい事件ではなく、単純明快なものでした」とコメントしている。