クイーンのフロントマン、フレディ・マーキュリーの伝記的映画『ボヘミアン・ラプソディ』が、4月21日午後9時から金曜ロードショーで放送される。
多くの人の心を掴み熱狂させたこの映画では、バンドメンバーも個性豊かに描かれ注目を集めた。
映画のクライマックスで描かれた1985年の「ライブエイド」でのパフォーマンスから38年。フレディを含めたメンバーの「その後」を写真とともに紹介する。
フレディ・マーキュリー
<1985年>
<1990年>
唯一無二の存在感を放ったフロントマンのフレディ・マーキュリーはライブエイドから6年後の1991年11月24日に45歳で死去。AIDS(後天性免疫不全症候群)の合併症によるもので、病気を公表した翌日のことだった。
パフォーマンスは華々しいものの、繊細で引っ込み思案なところもあったと言われるフレディ。バンドでは言い争いをするメンバーの仲裁をしていたという。
インタビューなどからフレディの言葉を集めた『フレディ・マーキュリー 自らが語るその人生』に掲載された言葉を追うと、自らの死について言及するときのフレディは、どこか飄々としていた。
「天国に行きたいかって?ノー。行きたくないね。地獄のほうがずっといい。考えてごらんよ、君がそこでどんなに面白い人たちと会うことになるのかさ(笑)」
「『どうしよう!僕が死んだら、僕のこと、みんな覚えていてくれるだろうか?』なんてことは、まったく思わない。全ては彼ら次第。僕が死んで、誰が気にする?僕はしないね」
ブライアン・メイ
<1985年>
<2022年/2023年>
ギタリストのブライアン・メイは天体物理学の博士号を持ち、2020年にツアーで来日した際には京都市の天文台を訪れるなど、研究熱心な姿が知られている。
2022年には英国立ハル大学から名誉理学博士号を授与された。大学関係者向けのスピーチでは、音楽活動の多忙な時期を経ても「痛烈な情熱は衰えることなく、また、学問の道を極めたいという気持ちも変わりませんでした」とコメント。「私がそうであったように、唯一の正しい道というのはありません」などと卒業生に呼びかけ、話題になった。
2023年には音楽や動物福祉などの慈善活動への貢献を認められ、イギリス国王から「ナイト」爵位を授与され、「サー」の称号が与えられるなど、75歳の今も幅広い分野で活躍を続けている。
クイーン自体はフレディの死後、追悼コンサートなどを除いて活動を休止していたが、2004年以降はブライアンとドラマーのロジャー・テイラーが、外部からフロントマン(現在は歌手のアダム・ランバート)を招き活動している。
ロジャー・テイラー
<1985年>
<2022年>
ドラマーのロジャー・テイラーは、クイーンの母体となった「スマイル」というバンドにブライアンとともに在籍していたメンバーだ。
フレディの死についてロジャーは「ブライアンも僕も、乗り越えるまで5年かかった。呆然としていた。90年代は僕にとっては失われた10年のようなものだ」と『rockin’on』2021年5月号でコメントしている。
ロジャーはクイーンの中で最も早くソロとしてアルバムを発表したメンバーで、 2021年にもソロアルバム『アウトサイダー』をリリース。また前述した通り、ブライアンとともにクイーンとしての活動も継続している。
ジョン・ディーコン
<1985年>
<1992年>
ベースを担当したジョン・ディーコンは音楽活動を引退している。
クイーンのオフィシャルサイトによると、ジョンが最後にクイーンのステージに立ったのは、フレディ死去から6年後の1997年1月。エルトン・ジョンのボーカルで『The Show Must Go On』を披露したときだった。同年10月、フレディに捧げる曲としてリリースした『No-One But You(Only The Good Die Young)』のレコーディングが、バンドメンバーとの最後の共演だったという。
2004年にクイーンが英国音楽殿堂入りを果たした際にも、バンド復帰の申し出を断っている。