「この写真は本来の私とは違います」
全米チャートで初登場1位を獲得した歌手が、修正された自身の写真についてインスタグラムでそう訴え、大きな話題になっている。オスカー俳優もこの話題に「私たちはAIではない」などとコメントし、ステレオタイプな美しさを押し付ける「修正」に反発の声を上げた。
修正は自分だけでなく、他の女性に対しても「無礼」
自身の写真を修正されたことについて「無礼」だと声を上げたのはコロンビア出身のシンガーソングライター・カロルG。2月にリリースしたアルバムが全米チャートで初登場1位を獲得するなど活躍している。
カロルGは4月7日、インスタグラムにセルフィーと思われる写真と、自身が写ったメキシコ版GQの表紙の写真を投稿。表紙の写真には修正が施されていると明かし、反発した。
▼カロルGの投稿。2枚目がメキシコ版GQの表紙だという
VARIETYやbillboardによると、カロルGは「今日GQの表紙が公開されましたが、この写真は本来の私とは違います」「顔も体もこんな感じではありません。そして私は、自分のありのままの姿に満足しているし心地よさを感じています」と投稿。「私がよく見えるようにするにはそれだけの修正が必要であるかのよう」だったとし、自分だけでなく、社会の固定観念に関係なく、ありのままの自分で居心地よく生きようとしている他の女性に対しても「無礼」であると訴えた。
「私たちは人間です。AIではない」
この投稿に反応したのが、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞助演女優賞を手にした俳優のジェイミー・リー・カーティスだ。
ありのままの姿を楽しむことの大切さをこれまでも発信してきたカーティスはインスタグラムにカロルGが写ったメキシコ版GQの表紙とカロルGの投稿を英訳した文章を投稿。
カロルGの発信を好意的に受け止めた上で、写真の修正を「虐殺」に例えてこう綴った。
「私たちは人間です。AIではないし、そのままで美しいものに対するこの大量虐殺は警戒すべきことで、議論されるべきだと思います」「化粧品業界は、あなたが鏡を見て自分を憎み、そして自分たちが作ったデタラメな商品を買うことを望んでいます」