『ボヘミアン・ラプソディ』主演のラミ・マレック、どれくらいフレディ・マーキュリーに似てる?【写真で比較】

クイーン(Queen)の結成から1985年のライヴ・エイドまでを追った大ヒット映画。フレディ・マーキュリーを演じるにあたり、ラミ・マレックはどんな役作りをしたのでしょうか。
『ボヘミアン・ラプソディ』のレコーディングシーン
『ボヘミアン・ラプソディ』のレコーディングシーン
©2018 Twentieth Century Fox

大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』が4月21日、日本テレビ系の金曜ロードショーで放送されます

伝説的ロックバンド、クイーン(Queen)の結成から、今なお語り継がれる名ライブである1985年のライヴ・エイドまでを描いた本作で、主演を務めたのがラミ・マレックです。

ラミが演じたのは、1991年にAIDS(後天性免疫不全症候群)の合併症により死去したクイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリー。様々な役作りとメイクなどにより、ラミはフレディになりきりました。

その圧倒的存在感や人気、社会に与えた多大な影響などをふまえると、フレディを演じるというのは大きなプレッシャーがあり、そう容易いことではないはず。

写真で比較しながら、ラミの役作りを紹介します。

2人の共通点は「移民」であること

1981年5月12日に生まれ、現在41歳のラミ・マレック。両親はエジプトからの移民で、ラミはアメリカ・ロサンゼルスで育ちました。

『ボヘミアン・ラプソディ』の時のラミ・マレック。2018年撮影
『ボヘミアン・ラプソディ』の時のラミ・マレック。2018年撮影
Paul Marotta via Getty Images

これまで、映画『ナイト ミュージアム』シリーズやドラマ『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』などに出演。『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ役に抜擢され、初のアカデミー賞主演男優賞に輝きました

移民というルーツは、フレディも同じ。フレディはインド出身の両親のもと、アフリカ東岸のザンジバル島(当時はイギリスの保護領。現タンザニア)で1946年に生まれました。

フレディ・マーキュリー。1982年撮影
フレディ・マーキュリー。1982年撮影
Steve Wood via Getty Images

フレディがまだ少年だった頃、内情が不安定だったザンジバルで革命が起き、多数の死傷者が出たといいます。一家は故郷を追われ、イギリスへとやってきたのです。

ラミは、このようなフレディの出自を演じる際も意識しており、自分との共通点の一つは「移民」であることだと語っています。ラミ自身も、若い頃に「周りのみんなと文化が違うことで自信をなくしたことがあった」といいます

1980年シカゴでのライブのステージに立ったフレディ
1980年シカゴでのライブのステージに立ったフレディ
Paul Natkin via Getty Images
ウェンブリー・アリーナでのライブ。フレディ(左)とギタリストのブライアン・メイ(右)
ウェンブリー・アリーナでのライブ。フレディ(左)とギタリストのブライアン・メイ(右)
Phil Dent via Getty Images

役作りに1年。あの歌唱スタイル、どう「完コピ」?

ラミは、フレディの役をオーディションで勝ち取りました。

通常なら数週間でできるという役作りを、『ボヘミアン・ラプソディ』では1年かけたそう。

映画のプロデューサーを説得しロンドンにも赴きました。ニューヨーカーのインタビューでは、現地でコーチをつけ、イギリス英語やパフォーマンス、歌、ピアノなどのレッスンを受けたと語っています。あらゆる映像や写真をチェックし、1日4時間もフレディのインタビューやパフォーマンス映像を見たといいます。

『ボヘミアン・ラプソディ』のライブシーン。フレディがよく着用していた赤いパンツを再現
『ボヘミアン・ラプソディ』のライブシーン。フレディがよく着用していた赤いパンツを再現
©2018 Twentieth Century Fox

目の動きや振り返り方、歯を隠す仕草、マイクの持ち方、そしてあの独特の歌唱スタイル…。フレディの細かな仕草や表情などを丹念に研究したラミの努力が、「フレディにそっくり」「完コピすごい」と、観客を大いに驚かせることにつながりました。

1985年ライヴ・エイドでのフレディ・マーキュリー。ライブではよく右腕を上げるポーズをとっていた
1985年ライヴ・エイドでのフレディ・マーキュリー。ライブではよく右腕を上げるポーズをとっていた
Getty Images
『ボヘミアン・ラプソディ』ライヴ・エイドにクイーンが出演するシーン。高くあげた腕や衣装までよく似ている
『ボヘミアン・ラプソディ』ライヴ・エイドにクイーンが出演するシーン。高くあげた腕や衣装までよく似ている
©2018 Twentieth Century Fox

蘇る「伝説の21分」の興奮 

中でも最大の見どころは、映画のクライマックスにあたるライヴ・エイドでのライブシーン。

『ボヘミアン・ラプソディ』のライヴ・エイドのシーン
『ボヘミアン・ラプソディ』のライヴ・エイドのシーン

ライヴ・エイドは「20世紀最大のチャリティー・コンサート」と言われ、クイーンは1985年7月13日、エチオピア飢餓救済のチャリティとして、ロンドンのウェンブリー・スタジアムのステージに立ちました。

テレビを通じて世界で約15億人が見たと言われており、 今でも「伝説の21分」と呼ばれています。

ライヴ・エイドには、チャールズ皇太子とダイアナ妃(当時)も招かれていた。その後ろには、デヴィッド・ボウイと、クイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーも
ライヴ・エイドには、チャールズ皇太子とダイアナ妃(当時)も招かれていた。その後ろには、デヴィッド・ボウイと、クイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーも
Dave Hogan via Getty Images
ライヴ・エイドのステージには、クイーンの他にもジョージ・マイケル、U2のボノ、ポール・マッカートニーなども集い「伝説」を作った
ライヴ・エイドのステージには、クイーンの他にもジョージ・マイケル、U2のボノ、ポール・マッカートニーなども集い「伝説」を作った
PA Images via Getty Images

映画では、時間は多少短くはありましたが、このステージを可能な限り忠実に再現していました。

ラミ演じるフレディの動きや歌い方から、スタジアムの構造、ステージ上の楽器や機材、ステージドリンク、そして観客の様子まで、当時の熱狂が映画を通して蘇るようです。

「義歯」は今でも「人生で最高の贅沢」

ラミは、フレディの「歯」を真似るため、撮影の際は「義歯」をして歌もその状態で歌っていました。

この義歯を作ったのは、有名な歯科技工士で、ニューヨーク・タイムズのインタビューで制作の裏話を明かしています。最初はフレディの歯のサイズを復元したものを作りましたが、それはラミには大きすぎたそうです。それからサイズを小さく作り直し、ちょうどいい大きさになりました。

技工士によると、ラミは「フレディのように歯を唇で隠そうとする仕草をたくさん練習していた」そう。

1974年撮影のフレディ。左手の指先に黒のネイルをしている
1974年撮影のフレディ。左手の指先に黒のネイルをしている
Michael Putland via Getty Images

フレディになりきるために必要だったのは、それだけではありません。ラミの大きな目を目立たなくするには、ゼラチンの鼻が役立ち、片手の指の爪は黒く塗るなど、たくさんのヘアメイクの工夫がありました。

ラミは撮影後も、「義歯」を大切にとっており、こんな裏話を明かしています

「実は金メッキをしてもらったんだ。人生で最高の贅沢かもしれない。フレディみたいに風変わりなことをやるとしたら、なんだろう?と考えた時、全部金歯にするのが、一番フレディらしいのかなと思って」

ラミと、クイーンのメンバーであるブライアン・メイ、ロジャー・テイラー。2019年のゴールデングローブ賞授賞式にて
ラミと、クイーンのメンバーであるブライアン・メイ、ロジャー・テイラー。2019年のゴールデングローブ賞授賞式にて
Steve Granitz via Getty Images

世界中で大きな盛り上がりを見せた映画『ボヘミアン・ラプソディ』。その裏側には、主演ラミ・マレックのフレディ・マーキュリーやクイーンに対する愛情とリスペクト、そしてそれを映画で伝えるための、並々ならぬ努力と情熱があったようです。 

フレディが「ソウルメイト」と呼んだ友人のメアリー・オースティンと。1985年撮影
フレディが「ソウルメイト」と呼んだ友人のメアリー・オースティンと。1985年撮影
Dave Hogan via Getty Images
『ボヘミアン・ラプソディ』より、ラミ演じるフレディと、ルーシー・ボイントン演じるメアリー・オースティン
『ボヘミアン・ラプソディ』より、ラミ演じるフレディと、ルーシー・ボイントン演じるメアリー・オースティン
©2018 Twentieth Century Fox
1976年3月30日に来日したクイーンのメンバー。ホテルパシフィック東京で日本酒を楽しんだという
1976年3月30日に来日したクイーンのメンバー。ホテルパシフィック東京で日本酒を楽しんだという
Koh Hasebe/Shinko Music via Getty Images

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