知ってる?ニラが長持ちする保存方法。そのまま冷蔵庫はNG、野菜のプロ直伝の鮮度を保つひと手間とは

なかなか鮮度を保つのが難しい今が旬のニラ。上手な保存法を知って新鮮なニラ料理を楽しみましょう。
ウェザーニュース

独特の香りや食感を持ち、野菜炒めなどで強烈な個性を放つニラ。今ではハウス栽培などが活用されて1年中生産されていますが、本来の旬はちょうど今の3月から5月です。このニラ、買ってきてそのまま冷蔵庫に入れていませんか?いざ使おうと思ったらクタクタになっていた、という経験を持つ方も少なくないと思います。

ニラは繊細な野菜で、保存にはコツがあるそうです。ニラの上手な保存法を、千葉県船橋市の青果店、大吉青果の大久保沙英子さんに伺いました。

ニラは八百屋泣かせの野菜

ニラは鮮度が良い状態を保つのが難しく、八百屋泣かせの野菜の一つだそうです。

「気温が上がってくると冷蔵のガラスショーケースに入れて販売する時もあるくらいです。ほんのわずかな時間でも葉先からしなびてくるので、なるべく鮮度の良いうちに売り切れるように、仕入れるのはお客さんのニーズに応えられるだけの量にするなど気を配っています」(大久保さん)

ニラは繊細な野菜なのですね。買ってすぐ使わないとか、使いきれずに残った場合、上手に保存するにはどうしたら良いでしょうか。

買ってそのまま冷蔵庫はNG

2022年にウェザーニュースで「ニラをどうやって保存していますか?」というアンケート調査を行ったところ、「そのまま冷蔵保存」が全体の76%を占め、その他の「ひと手間加えて冷蔵保存」(7%)、「冷凍保存」(8%)、「その他」(9%)を大きく上回る結果となりました。

ちなみに、「その他」と回答した方のコメントを見ると、「すぐに食べる」「常温保存」といった理由から「その他」選んでいる人が多そうです。

野菜はなんでもそのまま冷蔵庫の野菜室に入れればOKと思われるかもしれませんが、ニラを保存するときは冷蔵庫に入れる前にいくつか注意したい点があるようです。

「ニラは葉先が薄く、すぐ折れ曲がってしまい、そこからあの独特の匂いを発したり傷んだりします。そこで保存する場合は、まず束ねてあるテープをはずしてから根元を5mm程度切り落とします。

次に根元部分を湿らせたキッチンペーパーで包んでから新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて乾燥しないように口をとじ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。野菜は土に生えていた状態で保存すると長持ちします。これで3日ぐらいはピンとした状態を保てるでしょう。

また、3〜4cmぐらいの長さに切り、水をはった保存容器に入れて野菜室に保存する方法もあります。水は3日に一度は取り替えてください。これだとそのまま保存するよりももちますし、野菜炒めなどにはそのまま使えるので便利です。

ただし、栄養成分であるビタミンCやアリシンが水に溶け出る場合がありますので、風味と栄養価は下がってしまいます」(大久保さん)

冷蔵庫でも鮮度を保つように保存するには、手間をかける必要があるのですね。

餃子やスープの具材向けには冷凍がおすすめ

冷蔵よりさらに長持ちするのが冷凍保存だそうです。

「餃子の具材にするならみじん切り、スープなどの具材にするなら3~4cm程度に切ってラップに包み、冷凍します。この場合、使う際には解凍せず、軽くほぐして調理してください。使う用途ごとに切り方を変えると、すぐに使えて便利です。

冷凍保存の目安は1ヵ月ほどですが、水に浸けたものと同様、ニラ本来の風味はやや失われるので、やはり買ったらすぐ調理するのがベストです」(大久保さん)

今の時期はもっとも柔らかくておいしいニラが出回ります。栄養価も高いニラを上手に保存しておいしくいただきましょう。

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