ローカーボやファスティングなど...。食生活にまつわるトレンドはたくさんあるが、多くは主に健康やウェルネス、人によっては見た目を改善することに焦点を当てたものだ。
しかし近年は、気候に配慮した食生活トレンドへのシフトが強まってきている。
世界は気温上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えることを目指しているが、最新のIPCC報告書は、危険だと警告されている転換点に今後10年の間に達する可能性が高いことを明らかにした。
地球の温暖化が年々進む中、更なる上昇を可能な限り抑制するため、私たちは二酸化炭素排出量を最小限に抑えるため取り組んでいく必要がある。
【気候に配慮した食生活とは?】
Our World in Dataによると、温室効果ガス排出量の26%は食品から排出されているという。気候に配慮した食生活はこの問題に取り組み、環境への負荷を軽減することを目的としている。
こうした食生活は、単に肉の消費量を減らすものから、地球の再生(リジェネレーション)などを促進する食品を意識的に選ぶものまでさまざまだ。
その中で、比較的簡単なのがフレキシタリアンだ。日本では「ゆるベジタリアン」とも呼ばれ、主にベジタリアンの食生活をするが、時々肉も食べる。
それと近いリデュースタリアンは、普段の食事の中で、肉や魚、乳製品や卵などの動物性食品の摂取を意識的に減らす食生活のこと。
クライマタリアンの食事内容もこれらに似ているが、より考慮されていて緻密だ。肉や乳製品の需要だけでなく、輸送距離や水の使用量など、その食べ物の総合的な二酸化炭素排出量を考慮する。また、地元で取れた季節の食材を積極的に摂る。
そして、気候に配慮した食生活の中で最新かつ最も革新的と思われるのが、「リジェニボア」だ。言葉の由来は「リジェネラティブ」「リジェネレーション」など「再生」という意味。
フレキシタリアン、リデュースタリアン、クライマタリアンと同様の思想だが、それに加え、地球や生産に携わる人々など、その食べ物の裏にある倫理を重視した食生活を指す。
リジェニボアは、土壌の健康、労働者の権利、使用する化学物質の生産者への影響、サプライチェーン上の動物の扱いなどに配慮する。気候に配慮した食生活は、過去と現在両方の影響を考慮し、食料供給によってすでにもたらされた被害から地球が回復するのを助けることを試みるものだ。
【より気候に配慮した食生活を始めるには】
より環境を考慮した食生活を始めようと思ったからといって、いきなりリジェニボアになる必要はない。
実際、マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、フレキシタリアンの73〜93%が肉の消費量をさらに減らす予定だと答えている。つまり、一度こうした取り組みを始めると、続けるのは難しくないということだ。
また、日々の生活の中での二酸化炭素排出量を計測したり、削減のヒントをくれたりするアプリなどもある。こうした一歩一歩の積み重ねが、大きな変化となっていくのだ。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。