「この娘、どこか変だ。」
そんなキャッチコピーがつけられ、世界中を震撼させたサイコホラー映画『エスター』(2009年)が、前日譚映画『エスター ファースト・キル』として14年ぶりに帰ってきた。3月31日より日本での上映がスタートした。
本作は、2009年当時は子役としてエスターを演じたイザベル・ファーマンが、現在26歳となってエスター役を続投。あの頃と変わらないエスターを演じるファーマンの姿に驚きの声が広がっている。
前作では12歳。どうやって26歳でエスターを演じた?
『エスター』は、我が子を亡くした夫婦が悲しみを乗り越えるために孤児院からエスター(本名リーナ・クラマー)という少女を引き取るが、エスターを家族に迎えて以来、夫婦は奇妙で怪奇的な出来事に巻き込まれていくーーというホラー映画だ。新作の『エスター ファースト・キル』では、エスターが孤児院に入る前の前日譚が描かれる。
2022年7月に公開された予告編には、エスターは前作と同様に髪を二つ結びにして、クラシックなワンピースを着ている姿など映っていた。その頃から日本のネットユーザーの間でも話題を呼び、「全然変わらない」「25歳でエスター、しかも前日譚を演じるのすごい」「トラウマが蘇る」「期待が高まる」など注目を集めていた。
エスターを演じたファーマンは、前作2009年公開当時は12歳。それから10年以上が経って続投するにあたり、どう演じたのか?
日本の配給会社「ハピネットファントム・スタジオ」の公式YouTubeチャンネルで公開されたインタビュー動画で、ファーマンはその裏側を語っている。
「エスターは役者人生の原点」だと語るファーマン。実は『エスター ファースト・キル』の製作が始まった頃、エスター役には配役されていなかったが、自分から監督に直談判し、「今の私にエスターが演じられることを説得した」という。
一方で、幼く見せるための撮影で「安っぽく見えないかとか、説得力がなかったらどうしよう」などと不安もあったとも明かしている。
撮影のトリックには、エスターの周りの人が厚底の靴を履いて演技するなど、CGに頼らない方法も採用された。
ファーマンは、「子役で演じた役に再び挑戦するなんてこれまでになかった試みだと思う。なかなか大変だったけど、底力を発揮できたと思う。…厚底力と言うべきかも(笑)」とジョークを交えながら撮影を振り返った。
また、本作の脚本を務めたデイビット・コッゲスホールのTwitter投稿も話題になった。「24歳を子どものように見せるためにはどうするべきか?まずは、他の人たちに厚底の靴を履かせてみてください」とコメントを添え、1枚の写真を投稿。足元を見てみると、ファーマン以外の出演者たちはみな厚底の靴を履いており、アナログな方法で身長差を作り上げていたことが明らかになった。