損せずに暮らすためには、お金について正しい知識を身につけることが大事ーー。
「どう使う?どう貯める?18歳になったら#お金を話そう」をテーマにしたイベントを、一般社団法人「日本金融教育推進協会」が開き、パネリストが正しい金融知識の入手方法や10〜20代の若者が抱える将来に対する不安の解消策などについて話し合いました。
パネリストとして、日本金融教育推進協会代表理事で「やさしいお金の専門家」でもある横川楓さん、東京都の国際金融都市担当課長を務める中村香織さん、ハフポスト日本版ニュースレポーターの中田真弥さんの3人が登壇しました。
■若者がお金に対して抱くイメージとは?
そもそも高校生や大学生などの若者はお金に対してどんなイメージを抱いているのでしょうか。登壇者が質問を投げかけると、参加者からは「お年玉とかお小遣いとか楽しいイメージが多く、お金は大好きです」「人生に必要なものという感覚が強い。でも、手に入れるためには労働しなくてはいけないので大変だなと思います」などの声が上がりました。
アルバイトをしているという大学生からは、「うっかり年末調整をし忘れてしまって確定申告をすることになったが、難しかった」と、知らないと損してしまうことを実感したエピソードも語られました。
■どうお金に向き合うべきか?
4月に入り、新社会人として働き始めたという人も多いのではないでしょうか。そこで、横川さんから中村さんと中田さんに「理想の暮らし方や働き方を考えるにあたり、お金とどう向き合うべきか」との質問が飛びました。
中村さんからは、お金の使い方を考える上で心に留めておくべき2つのポイント「ニーズ」と「ウォンツ」について紹介されました。
「ご飯代や携帯電話代など最低限絶対に必要なものが『ニーズ』。一方で、推しに貢いだり、旅行に行ったりなど好きなことに使うことが欲しいという意味の『ウォンツ』です」と説明。その上で、ニーズとウォンツのバランスの取り方が重要だといいます。ウォンツをかなえていくためには、「どんな仕事をしたいか、やりたい仕事をするために必要な資格やスキルは何かと考えていくことが大事です」と語りました。
中田さんからは、成人年齢が引き下げられて18歳から親権者の同意なしにクレジットカードが作れるようになったことを踏まえ、クレジットカードの使い方について気を付けるべき点への言及がありました。
「例えば、3万円のワンピースでも3回の分割払いだと月1万円ずつだから買えるという気持ちになるかもしれません。その月はやりくりできても、また新たに欲しい物が出てくる。そうすると分割払いの額が増えていき、働いて稼いでも給料が入ったと同時に支払いに消えていくということが起こり得ます」。
■金融情報、どう調べたらいい?
お金にまつわる情報について知りたい時、どうやって調べたらいいのでしょうか。
イベントに参加していた若旅百々羽さん(17)は「父母に聞くこともあるが、基本的にGoogle検索します」、杉山直輝さん(23)は「YouTubeなどネットで調べるほか、お金事情がより身近だと思われる働いている友人に聞きます」と話しました。ただ、ネット上には怪しい情報が溢れていることへの不安の声もありました。飯島佐和子さん(22)は「月収300万円などの文言を見ると、気を付けようと感じます」、鈴木麻衣さん(22)は「ネットで『安心安全の投資講座』みたいな広告が表示されると怪しく感じます」。
中村さんは「企業や団体の名前だけで、きちんとしたところと、そうでないところを全部見極めるのは難しい」とし、省庁や自治体など行政のウェブサイトを見ることを勧めます。
■将来への不安、どう備える?
参加者からは、「自分1人を(金銭的に)支えていけるか」「親がしてくれたぐらいの学費や生活費を自分の子どものために用意できるか心配」「最近物価がすごく上がっている」「もうすぐ社会人になるけど、貯金がなくて一人暮らしをするという選択肢がない」など将来に対する不安の声が次々と上がりました。
横川さんは「知識を付けることが不安解消につながります」と強調しました。「お金があると選択肢が広がるので、付けた知識を活用してNISA(少額投資非課税制度)制度などを活用してお金を増やすことにチャレンジすることも大事になってきます」。